パーキンソン病の病原性蛋白質のユビキチン化と凝集体形成を抑制している蛋白質を同定
パーキンソン病は,黒質,線条体などのドーパミン神経細胞の変性と脱落を主体とする進行性の神経変性疾患です。α-シヌクレイン蛋白質はパーキンソン病の原因蛋白質です。α-シヌクレインのユビキチン化と凝集体形成が,パーキンソン病の発症に中心的な役割を果たしています。神経細胞が,炎症,酸化剤などのストレスに曝されると,α-シヌクレイン蛋白質はユビキチン化され,神経細胞に毒性を示します。パーキンソン病患者の神経細胞には,ユビキチン化α-シヌクレイン蛋白質が凝集体を形成しています。新潟大学大学院医歯学総合研究科ウイルス学分野のAnisimov Sergei大学院生,髙橋雅彦准教授,藤井雅寛教授らの研究グループは,α-シヌクレイン蛋白質のユビキチン化と凝集体形成を抑制する分子としてG3BP1蛋白質を同定しました。本研究は,G3BP1蛋白質がパーキンソン病の発症を抑制している可能性を示しました。また,G3BP1がパーキンソン病の治療薬の標的分子として有望であることを示しています。
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