篮球比分直播6年度秋季卒業式 学長告辞
卒業生?修了生の皆さん、卒業?修了まことにおめでとうございます。新潟大学を代表して、心からお祝いを申し上げます。
さて新潟大学は、今年の6月1日で総合大学になってから75周年を迎えました。もっとも新潟大学には、さらにその前身があり、旧制新潟医科大学と旧制新潟高等学校を核とし、師範学校、農業専門学校、高等専門学校が加わって、1949年に新制の国立大学としてスタートしました。その点では100年を優に超えるバックグラウンドを有しています。
このように長い歴史があり、複数の学部と大学院研究科をもった全国有数の大規模総合大学として成長してきた新潟大学は、1949 年からの75年間で約16万人の卒業生を送り出してきました。本日ここに卒業を迎える皆さんは、この新潟大学の同窓生の系譜(ファミリー?ツリー)に加わることになります。どうか、その誇りをもって新潟大学を巣立ってください。
新潟大学の理念は「自律と創生」です。この理念については入学時にも皆さんにお話ししました。今、卒業にあたり、改めてこのことをお話しします。「自律」は、その言葉のとおり、自分自身で立てた規範に従って行動すること、そして「創生」は新たなものを作り出すことです。もう少しわかりやすい表現を使うなら、他人の真似ではなく、自分自身で物事をよく見聞きし、事実を自分の目で見極めて、正しく判断して行動する、そういう習慣を持つことです。そして、それは、新潟のシンボルでもある柳のように、あの柳の枝のようにしなやかで折れない「真の強さ」を持つことにもつながっています。私は、ここにいる皆さんが、この「自律と創生」の理念としなやかさ、「真の強さ」を新潟大学で養って卒業されるのだと信じています。
現在、新潟大学では約12,000人の学生が学んでおり、3,000人以上の教職員がいます。まさに多様な人々が学びのために集まっているのが大学というところです。皆さんの大学生活はその多様な人々と出会い、感化し合い、そこでのコミュニケーションを通して成長していく貴重な時間でもありました。その中で、皆さんが皆さんの知的好奇心を最大限に発揮して、今しかできない豊かな時間を見つけてくれたのではないかと私は思います。
これから皆さんが活躍する社会は、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータ等の新たな技術が築くサイバー空間と、現実のフィジカル空間が融合した新しい世界がどんどん築かれていくことでしょう。
社会のグローバル化も進んでいます。さらに自然科学と人文?社会科学の「知」の融合の重要性もクローズアップされてきています。これから、こうしたさまざまな社会改革がどんどん進み、それによって新しい未来が創造されていくに違いありません。
一方で、コロナ禍のような事態や、今年の元日に発生した能登半島地震のような災害など、予期せぬ大きな出来事に見舞われることが何度もあるでしょう。
国際情勢も変化しています。温暖化に代表されるように地球環境の変化も大きな問題です。このように社会も地球もそして宇宙も日々変化しており、未来を正確に予測することはある意味では困難です。しかし、そのような中で、もしも未来を切り拓くことができるとすれば、それは「学問」だと私は思います。学問は未来を予測する精度を高めることができます。そして、未来に立ち向かうためには「予測する努力」をすることが極めて重要です。どうか、そのことを忘れずに、いつまでも学ぶことを忘れずに、これからの未来に立ち向かっていってもらいたいと思います。
新潟大学は数年前に、直近の未来である2030年に向けたビジョンを策定し、その中で新潟大学が果たすべきミッションを、「未来のライフ?イノベーションのフロントランナー」となることと定めました。
ここでいう「ライフ?イノベーション」とは、単に「医療?健康?福祉分野」に留まらず、21世紀を生きる我々の「生命」、「人生」、「生き方」、「社会の在り方」、「環境との関わり」と、それらの土台となる「地球」や「自然」についての新たな価値と意味を生み出すための革新を指しています。すなわち、新潟大学が目指す「ライフ?イノベーション」とは、人類を幸福にするための革新のことです。
これは、これから卒業?修了する皆さんとも共有できるものです。皆さんが、新潟大学を離れても、共に未来のライフ?イノベーションのフロントランナーを目指して活躍してもらえれば大変うれしいことですし、そうであることを心から願っています。
そして、そのためにも、どうかいつまでも母校との絆を大切にしてください。新潟大学にはさまざまな「知」が集まっており、「学びの場」は常に開かれています。これからはリスキリングの時代にも入ります。皆さんの人生の中で何度も学び直す機会や、新しいことを学ぶ機会が出てくると思います。そんな時はぜひ、新潟大学を活用してください。
繰り返しますが、新潟大学は皆さんの母校であり故郷です。新潟大学で学んだ誇りをもって、未来への一歩を踏み出してください。新潟大学はこれからも皆さんを見守っています。卒業後も皆さんが、新潟大学の理念のもとに活躍されることを大いに期待しています。常に学ぶことの喜びと大切さを胸に抱き、知的好奇心を持ち続け、学ぶことを忘れず、どこにいても新潟大学と絆を結びながら、未来のライフ?イノベーションのフロントランナーとして活躍されることを心から願っています。
おわりに、皆さんの未来に幸多きことを祈り、私の告辞とします。本日はまことにおめでとうございます。
篮球比分直播6年9月20日
新潟大学長 牛木辰男