篮球比分直播8年度入学式 学長告辞

新入生の皆さん。新潟大学へのご入学、誠におめでとうございます。本学を代表して、心からお祝いを申し上げます。また、これまで皆さんを支えてこられたご家族の皆様、関係者の皆様にも、深く敬意と感謝を申し上げます。
この度、新潟大学に入学を認められたのは、学士課程2,415名、大学院修士課程648名、大学院博士課程153名、大学院専門職学位課程21名、養護教諭特別別科48名、の総計3,285名です。
皆さんは今、新しい人生の入り口に立っています。大学への入学は、単に学ぶ場が変わるということではありません。自らの意思で進む道を選び、自分の可能性を広げていく、新たな歩みの始まりでもあります。大学では、自ら考え、自ら学びを深めていくことになります。それは自由であると同時に、自分自身と向き合う時間でもあります。皆さん一人ひとりが、これからどのような大学生活を送り、どのような未来を描いていくのか。その歩みは、今ここから始まります。
いま私たちが生きている社会は、大きな変化の時代にあります。生成AIをはじめとする技術革新は、社会の仕組みを急速に変えつつあります。国際秩序は揺らぎ、気候変動や人口構造の変化など、人類全体が向き合うべき課題も複雑さを増しています。かつて当たり前だと考えられていた前提が、次々と問い直される時代です。未来は、もはや過去の延長として見通せるものではありません。しかし、このような時代だからこそ、大学での学びの意味は、これまで以上に重要になります。
大学は、単に完成された知識を受け取る場所でも、答えを受け取る場所でもありません。問いを立てる場所です。
AIは多くの答えを示してくれるようになりました。しかし、本当に価値のある答えは、良い問いからしか生まれません。問いとは、分からないことに戸惑うことから始まり、知りたい、確かめたい、理解したいという思いの中から育っていくものです。意味のある問いは、社会をよく観察し、人間や世界に深い関心と敬意を持ち、異なる知と出会うことによって生まれます。そうした問いを育む場こそが、大学です。
新潟大学は、人文科学、社会科学、自然科学、そして医歯学を含む多様な分野の知が集まる総合大学です。皆さんはここで、自分の専門を学びながら、異なる分野の人々と出会い、多様な価値観に触れることになります。
その中で、自分の考えが揺さぶられることもあるでしょう。しかし、その経験こそが、大学での学びの本質です。異なる考えに出会い、対話を重ね、自分の言葉で考え直す。その積み重ねの中で、人は思考の深さを身につけていきます。
ゲーテは、ドイツを代表する文豪として知られていますが、その知的営みは文学に限られるものではありませんでした。法を学び、自然を探究し、広く知を求め続けたその姿は、学びが一つの領域に閉じるものではなく、自らの世界を広げていく営みでもあることを教えてくれます。
彼はまた、「知るだけでは十分ではない。それを用いねばならない。意志だけでは十分ではない。それを行わねばならない」と述べています。大学での学びもまた、知識を得るだけで完結するものではありません。学んだことを自分の中で深め、それを行動へと結びつけてこそ、本当の力になります。大学とは、専門を深める場であると同時に、そこで得た学びを現実の世界の中で生かし、自らの可能性を広げていく場でもあるのです。
本学の理念は「自律と創生」です。自らを律し、自らの規範に従って行動すること。そして、新しい価値を創り出していくこと。この理念は、創立以来、本学の教育と研究の根幹を支えてきました。
また、人材育成の理念として「真の強さを学ぶ」ことを掲げています。困難な状況にあっても思考を止めず、対話を重ね、より良い選択を模索し続ける力。それが、これからの社会で最も必要とされる力です。
そして社会的使命は「知を結び、未来を拓く」ことにあります。大学は、知を蓄えるだけの場所ではありません。異なる分野の知を結び、人と人、地域と世界を結び、その成果を社会へと還元していく場所でもあります。
社会は、誰かが与えてくれるものではなく、私たち一人ひとりが参加し、支え、創り続けていくものです。
自律と創生という理念のもとに、真の強さを備えた人を育て、その人々が知を結び、その知が社会の未来を拓いていく。それが、新潟大学の教育と研究の目指す姿です。
新潟大学はいま、大きな挑戦の中にあります。
現在、国の研究大学強化事業であるJ-PEAKSに採択され、地域中核研究大学として研究力の強化を進めています。また、博士人材育成を目指す大学院教育拠点事業であるFLAGsにも選定され、次代を担う高度人材の育成に取り組んでいます。さらに、地方大学?地域産業創生交付金事業などを通じて、研究成果を地域社会や産業の発展につなげる取り組みも進めています。
これらは、新潟大学が地域に根ざしながら、日本そして世界の未来に知で貢献する研究大学として発展していくための挑戦です。
その歩みを支えるのは、大学に集う一人ひとりの学びです。
皆さんの多くは、これから学部で専門分野の基礎を学ぶことになります。しかし、学問の世界は、そこで終わるものではありません。より深い探究へ進む道として、大学院での学びも開かれています。どうか長い視野を持って、自らの問いを育て、学びを続けてください。
大学生活は、自分の可能性を大きく広げることのできる、かけがえのない時間です。失敗を恐れず、一歩を踏み出してください。学問に真剣に向き合うことはもちろん、友人との出会い、課外活動、地域社会との関わり、そして世界へ目を開いていく経験の一つひとつが、皆さんを豊かに育てていきます。
専門を深く学ぶとともに、分野を越えて学び、人と出会い、広い世界に触れてください。大学で得た経験はすぐに目に見える成果として現れないことがあっても、人生の節目や困難に向き合うとき、皆さんを支える力となるはずです。
本学は、皆さん一人ひとりの歩みを支えていきます。
今日から始まる大学生活が、皆さんにとって、新しい出会いと発見に満ちた時間となることを心から願っています。ご家族の皆様におかれましても、これから始まる学生たちの歩みを、温かく見守っていただければ幸いです。
改めて、新入生の皆さんのご入学を心からお祝い申し上げ、私の告辞といたします。本日は、誠におめでとうございます。
篮球比分直播8年4月3日
新潟大学長 染矢俊幸