2025.03.21 ゼミ研

ワンランク上を目指す研究室 ~医学部保健学科 佐藤拓一研究室~

各学部のゼミや研究室を訪れて取材し、紹介するこのコーナー。
今回取材したのは医学部保健学科佐藤拓一研究室。
口腔内の細菌?微生物の研究を行っています。

佐藤拓一先生の研究室では、口腔細菌の研究が行われています。口の中や身の回りの様々な細菌?微生物について分析し、飲み残したペットボトル飲料で増殖する細菌や、不織布マスクやスマートフォンに付着している微生物について調査しています。

研究室のミーティングを見学しました。毎週金曜日に開かれるミーティングでは、学生が行った実験結果の報告と、佐藤先生や他の学生からの意見交換が行われます。今回発表していたのはマスク着用時に口腔内にいる微生物の測定。リップクリームや洗顔の有無など、条件によってマスクで見られる微生物に違いが出る可能性があるそうです。

実験室も見学しました。ここには遠心力で試料を分離する遠心機、試料を調整するためのバイオクリーンベンチやアナエロ?ボックスなどの機械が置かれ、実験が行われています。

アナエロ?ボックスで試料を観察する様子

実験室にはPCR装置も置かれています。調べたい微生物のDNAを増幅させ、その微生物が何の菌種であるかを確認しています。

研究室について佐藤拓一先生にお話を聞きました

Q. 研究室で大切にしていることはありますか?

私は歯科医師でもあるので、口腔内を研究対象とする歯学とヒトの身体全体を対象とする保健学を融合させた研究ができます。歯学ではどちらかといえば口腔の部分にフォーカスする傾向があり、医学では人間の身体全体を見る傾向があります。私の研究室は保健学科に所属しているので、口腔とヒトの両方を対象としています。医学や歯学ではなかなかやらないことをやるようにしています。それが一番の売りですね。歯学領域を保健学科でできるというのは全国的にみてもかなり限られていると思います。

Q. この研究室でしかできないことは何ですか?

毎週1回、金曜日に顔を合わせるということですね。学部生は毎週土曜日に、大学院生や卒業研究生は月曜日から金曜日まで自由に実験でき、その結果を報告しつつ顔を合わせる会を金曜日に開いています。自由に、発言したり、自分の研究について報告できたりするフランクな会にすることを大切にしています。コロナで顔を合わせない期間がありましたが、その時も許可?記録を取って土曜日の実験だけは継続していました。自然と学生同士が顔なじみになって、先輩から後輩へ助言できるだけでなく、同級生同士でも教え合える関係、それを一番大事にしています。

Q. 先生自身はどのような研究をされていますか?

基本は大学院生と一緒に研究するのが主体です。研究テーマも全く同じです。研究?実験をしてポスターやスライドを使って学会発表するのが学生たちの役割で、実験結果を抄録にまとめ、学会発表を申し込んだり、研究費を獲得したりという役割を私がしています。分担?分業しているということですね。論文原稿は毎週学生と顔を合わせて一緒に作成していますが、実験も学会発表も学生がやっています。そこで率直に感じるのは、同じ研究内容でも学会で仮に私が発表するより、大学院生や学部生が発表した方がより反響が得られるということです。私だけがやっている研究というのはあまりありません。うちの研究室では研究をみんなでシェアしてみんなで取り組んでいます。

Q. 先生の学生時代に今の研究の礎になった部分などがあればお話をお聞かせください。

歯学部に入学した当時、大学は研究の場だと認識していました。しかし実際には、(当時)学部1、2年生のうちは研究ができず、3年生になってからようやく始めました。学生と研究するという私の方針には、この頃の経験が強く影響していると思います。

Q. 教授になろうと思った理由を教えてください。

高校生の時から研究したいという気持ちがありました。学部3年生から研究をするうちに、研究職に就くなら大学教員になろうという考えが自然と浮かんできました。研究員という道もあったと思いますが、日本で研究職に就くなら大学教員になるのが自然だと考えました。

Q. 最後に新潟大学の学生にメッセージがあればお願いします。

同じ新潟大学の学生の中でも何かにおいてワンランク上を目指してほしい。私の研究室では全員が臨床検査技師になりますが、そのなかでもワンランク上の臨床検査技師を目指してほしいですね。例えば、研究をして学会発表を経験することがワンランク上につながるかなと思います。金曜日のミーティングで報告する実験結果も発展させれば学会発表できますし、学部1年生からの研究を大学院まで続けるという流れも成長につながります。これは自分で学んだことを誰かに説明する、そういう機会です。継続して何かに取り組み、それを他者に説明する力を身につけるのは就活にも圧倒的に有利だと思いますね。

佐藤研究室を代表して、加藤優希さん(学部4年生)にお話を聞きました

Q. 加藤さんの研究テーマについて教えてください。

各種メーカーのお茶ペットボトル飲料内の微生物プロファイリングを行っています。この研究は飲み残したペットボトル内にどんな細菌がどのくらい増殖しているかを分子生物学的に解析するというものです。飲み残したペットボトル飲料について企業は放置して飲み直すことを推奨していません。しかし、災害等の緊急時には飲み残しを飲まなければいけない状況になることがあります。そのような場合に提言できる実験ではないかと考えています。ペットボトル飲料に唾液を入れ、炎天下を想定した37℃で培養した一日後のドリンクを培地にまき、生えてきた細菌を解析していきます。

そこでお茶による違いを見ています。例えば、カテキン量が多い緑茶とカテキン量が少ないお茶で細菌の増殖の程度が変わるのか。そもそも、細菌増殖に影響するのはカテキンなのか、他の何かなのか。まだ突き止め切れていないことは多いです。現在はカテキンが影響していると仮説を立てて実験していますが、違いを生み出す原因を明らかにできたらいいなと思います。

Q. なぜ佐藤拓一先生の研究室を選んだのですか。

拓一先生が大学院に進学するメリットを教えてくれたこと、拓一先生が学部生から研究室に受け入れてくださるほぼ唯一の先生であること、在籍している先輩の数が多いので相談できる相手やアドバイスをくれる方が身近にたくさんいること、身近なペットボトルを研究テーマにしていることの4点です。

Q. 研究室の雰囲気はどうですか。

みんなでランチや飲み会に行くなどアットホームです。研究についても、先輩が学部1年生から研究を始めている分、豊富な経験を私たちに教えてくださります。そうやって学んでいくうちに私が後輩に教えることもできるようになると思います。

Q. 研究室で得られたこと?経験は何ですか。

大学院生に知り合いができて、相談できる先輩ができたというのが大きいです。学部2年生のときに院生会の研究発表会で発表し、最優秀賞をいただいたことも印象深いですね。他にも、学部1年生から実験の操作を経験できたり、遠方の研究会に出向いた際に観光したりと、この研究室で得られたことは多いです。

Q. 大学院への進学後の目標を教えてください。

保健学の領域からも食品業界の貢献を目指し、食品や微生物がヒトの健康に及ぼす影響について探求していきたいと考えています。修了後は後進が素養のある人材となれるような指導ができる人材となるのが目標です。

スタッフ感想

1つの研究に先生も含めた研究室の全員が関わっているという点が驚きでした。佐藤先生と学生の皆さんの熱意に触れ、私もワンランク上を目指して広報の活動に臨みたいと考えました。(石川)

学部の垣根を超えた研究をされているということもあってか、先生のお話は他学部にも通ずる部分があったと思います。大学に来た理由や将来のことをもう一度考えるきっかけになりました。(青木)

学部1年生という早い段階から本格的な研究に取り組める点がとても魅力的だと感じました。(竹田)

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