ドローン測量で長岡市上桐地区の山林に埋もれていた新たな古墳を発見-古墳時代の地域社会と土地利用の解明につながる成果-
研究成果
本研究成果のポイント
- UAV-LiDAR(注1)(ドローンを用いたレーザ計測)測量により、山林?竹林内に埋もれていた盛土状の地形を新たに確認した。
- 地上レーザ測量による高精度地形解析の結果、この地形は全長約38 mを測り、前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)(注2)または前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)(注3)に類する墳形であることが明らかになった。
- トレンチ調査により 土師器(はじき)(注4)片の出土と人工的な盛土の痕跡が確認され、本地形が古墳であることが判明し、「椿沢つばきざわ古墳」として 新たな埋蔵文化財に認定された。
- 古墳時代の地域社会と土地利用の解明につながる成果である。
本学人文学部の森貴教准教授と太田凌嘉助教らの研究グループは、新潟県長岡市上桐地区で新たな古墳を確認しました。2024年度にUAV-LiDARによる地形測量により、平面形が鍵穴状を呈する盛土状の地形を発見し、昨年度には当該地形を対象として地上レーザ測量による高精度地形解析および発掘調査を実施しました。3か所のトレンチ調査では土師器の出土に加え、地山整形や盛土、墳裾部(古墳のすそ部分)で異なる地点 に由来する礫 を多数確認しました。これらの調査結果に基づき、本地点は「椿沢古墳」として新たな埋蔵文化財に認定されました。全長約38 mで、前方後方墳または前方後円墳の可能性があり、古墳時代の地域社会を考えるうえで貴重な発見です。
【用語解説】
(注1)UAV-LiDAR
LiDAR(Light Detection and Ranging)とは、レーザーパルスを用いて対象物までの距離を測定し、地形や構造物を高精度に把握する計測技術です。これをドローンなどの無人航空機(UAV)に搭載し、上空から地表にレーザーを照射することで、建物や地形の詳細な三次元データを高密度に取得することができます。
(注2)前方後方墳
古墳の一形式で、方形の墳丘(主丘)の一方に突出部(前方部)を備えた形状を指します。前方後円墳と似ていますが、後円部にあたる部分 が 方形である点が特徴です。
(注3)前方後円墳
古墳の一形式で、円形の墳丘(後円部)に長方形または台形状の突出部(前方部)が接続した鍵穴状の形状を指します。
(注4)土師器
古墳時代から奈良?平安時代にかけて用いられた素焼きの土器の総称です。弥生土器の流れをくむものです。
研究内容の詳細
ドローン測量で長岡市上桐地区の山林に埋もれていた新たな古墳を発見-古墳時代の地域社会と土地利用の解明につながる成果-(PDF:964KB)
論文情報
椿沢古墳第1次発掘調査の結果と関連する研究の成果は、『島崎川流域遺跡群の研究Ⅵ 椿沢古墳1』として2026年3月30日に刊行されました。本書は奈良文化財研究所のウェブサイト「全国文化財総覧」にて公開されています。本研究成果はその一部にあたります。
【書名】島崎川流域遺跡群の研究Ⅵ 椿沢古墳1(新潟大学考古学研究室調査研究報告 26)
【編集機関】島崎川流域遺跡調査団
【編集者】森 貴教?太田凌嘉
【URL】全国文化財総覧
本件に関するお問い合わせ先
広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp