生成AIによる「科目レコメンドシステム」を開発しました~学生と企業の協働によるアカデミック?アドバイジング支援ツール、授業での実証実験で高評価~
本学教育基盤機構は、学生?企業との共同開発により、生成AIを活用した新たな「科目レコメンドシステム(略称:CRシステム)」を構築し、5月12日に運用を開始しました。
CRシステムは、学生が自身の関心や問題意識に基づき、4,500科目を超える膨大な授業科目の中から最適な履修科目を直感的に見つけられるよう支援するもので、アカデミック?アドバイジング(注1)の補助ツールとして活用されます。
本学では、教育制度の特色として「メジャー?マイナー制」(注2)を導入しています。これは、所属する学部をメジャーとし、さらにメジャー以外の分野を興味?関心に基づきマイナーとして体系的に学ぶことができる制度です。中でも、「学修創生型マイナー」は、自らの探究課題をもとにセルフメイドするプログラムです。マイナーの履修計画の作成にあたっては、アカデミック?アドバイザーという専門スタッフが学修相談など様々な支援を行います。しかし、マイナーを履修する学生から、マイナーとして履修したい科目を既存のオンラインシラバスから一科目ずつ時間をかけて検索していかなければならないという問題がありました。それを解決するために、学生?企業?大学の共同でCRシステムを開発することになりました。
CRシステムの開発は、経済科学部生2名、新潟大学発ベンチャーのweb開発企業である株式会社ラクウェブ、本学教育基盤機構教学マネジメント部門の教員との三者協働により推進されました。開発には、ノーコードAI開発ツール「Dify」を活用し、生成AIが学生の入力内容に対してシラバス情報を意味的に検索?分析し、最適な科目とその推薦理由を提示します。
CRシステムは、2025年度第1ターム開講の「分野横断デザイン」授業内で実際に運用を開始しました。初期運用では、受講学生186名中70名から回答を得たアンケート調査において85%以上の学生が「興味?関心に合致した科目を発見できた」と高い評価をしました。また、検索時間の短縮や新たな科目の発見、専攻の枠を越えた学びの広がりといった利点が報告されています。
この取組は、文理横断的な学修を推進する本学の「全学分野横断創生プログラム(NICEプログラム)」の一環であり、パッケージ型マイナーでも活用可能です。今後は履修履歴と連携したパーソナライズ機能の拡充や、大学院教育への展開、モバイル対応など多様な学びを後押しする進化が予定されています。
本学は、これからも生成AIの力を教育現場に取り入れ、学生一人ひとりの多様な学びとキャリア形成を支援してまいります。
科目レコメンドシステム(学内アクセス限定)
【用語解説】
注1 アカデミック?アドバイジング:
日本アカデミック?アドバイジング協会の定義によれば、「学生自身による将来の目的?目標の決定とその達成に向けて、担当者が途中段階のアセスメントを行いながら学生個人のニーズに沿った支援をすること」である。
注2 メジャー?マイナー制:
「メジャー?マイナー制」とは、学生が自分の学部の専門分野(メジャー)だけでなく、学部の枠を越えたメジャーとは異なる分野(マイナー)も学ぶことのできる仕組み。本学のマイナーには、48プログラムごとにパッケージ化された科目の中から履修する「パッケージ型マイナー」と、自らの探究課題をもとにオリジナルの学修計画をデザインして履修する「学修創生型マイナー」の2種類がある。
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