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AI予測されたタンパク質の立体構造モデルに基づくゲノムからの探索法によって、テルペンの環状骨格や構造の多様性を拡大できることを証明

2025年06月11日 水曜日 研究成果

本学自然科学系(農学部)の佐藤努教授、上田大次郎助教、同学系(工学部)の阿部貴志教授、北海道大学大学院先端生命科学研究院の谷口透准教授らの共同研究グループは、AI予測されたタンパク質の立体構造モデルを基にしたゲノムからの探索法によって見つかった、新しいタイプのテルペン合成酵素が形成する生成物の構造を決定しました。その結果、新しい環状骨格や構造をもつテルペンを発見することに成功しました。本研究は2024年に本研究グループが開発したタンパク質の立体構造モデルを基にした探索法が、テルペンの環状骨格や構造の多様性を拡大するための有効な手法であることを証明した成果です。
本研究成果は、2025年6月2日、米国化学会発行誌「Organic Letters」のオンライン版に掲載されました。

本研究成果のポイント

  • AI予測されたタンパク質の立体構造モデルを基にしたゲノムからの探索法で見つかった新型テルペン合成酵素の生成物の構造を決定しました。
  • 生物から未だに見出されていない新しい環状骨格や構造をもつテルペンを発見しました。
  • 新しい環状骨格や構造をもつテルペン類注1)を大量発掘するためのブレイクスルーとなることが期待されます。
【用語解説】

注1)テルペン類
炭素数5個のイソプレン単位から構成される天然有機化合物群の総称。微生物、植物、昆虫、動物など様々な生物種が生産する。テルペノイド、イソプレノイドとも呼ばれる。メントール(香気成分)、タキソール(抗がん剤)、ステロール類(生体膜成分、シグナル伝達物質)、カロテノイド類(色素、抗酸化物質)などが知られている。

研究内容の詳細

AI予測されたタンパク質の立体構造モデルに基づくゲノムからの探索法によって、テルペンの環状骨格や構造の多様性を拡大できることを証明(PDF:580KB)

論文情報

【掲載誌】Organic Letters
【論文タイトル】Expanding the diversity of the terpene skeleton and structure through identification of noncanonical class IE and IF terpene synthase-formed products
【著者】Tohru Abe, Tohru Taniguchi, Daijiro Ueda, Takashi Abe and Tsutomu Sato*
*) Corresponding authors
【doi】10.1021 / acs.orglett.5c01879

本件に関するお問い合わせ先

広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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