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第10回人文?社会科学系研究推進フォーラムを開催しました

2025年04月07日 月曜日 トピックス

3月10日、本学と神戸大学の共催で「第10回人文?社会科学系研究推進フォーラム」を、神戸大学バイオメディカルメンブレン研究?オープンイノベーション拠点棟1階ダイセルOIホールにて開催しました。

本フォーラムは、人文?社会科学系URAネットワークの幹事校※が持ち回りで主催しており、第10回となる今回は神戸大学と本学が共同で開催しました。大学における研究の社会実装の課題に向けて、本学と神戸大学の取組の事例を紹介しながら、自然科学系の研究者との議論を通じて、人社系研究が産業に果たす役割や可能性を探る場となりました。

大学?省庁?企業など多様な分野からから174名(現地36名?オンライン138名)の参加があり、活発な意見交換が行われました。

冒頭の挨拶では、神戸大学の藤澤正人学長が、同大学のJ-PEAKS(文部科学省「地域中核?特色ある研究大学強化促進事業」)の取組を紹介しつつ、今後の社会実装の展望について言及しました。藤澤学長は、「自然科学系研究の知のみでは実現は難しいもの。本フォーラムの議論から、人文学?社会科学の研究者と連携していくヒントを得て、神戸大学の強みであり今後のものづくりの変革の中核となるバイオものづくり分野から日本の研究力の向上と産業の発展に取り組んでいきたい」と述べました。

続いて、本学の末吉邦理事が登壇し、社会や産業の構造が大きく変化する中で、より持続可能で豊かな未来を築くためには、経済?法律?倫理?文化といった多様な視点を取り入れることが不可欠であると指摘しました。また、人文学?社会科学の知見を産業と結びつけることで新たな価値を創出する取組が、今後の社会においてますます重要になると語りました。

末吉 邦 理事
末吉 邦 理事 
東瀬 朗 准教授
東瀬 朗 准教授

講演では、まず本学の経営戦略本部UA室?主任URAである李香丹より、神戸大学と本学が共同主催に至った背景について説明がありました。続いて、文部科学省研究振興局振興企画課学術企画室長の助川隆氏が「変わりゆく社会における人文学?社会科学への期待」と題し、社会の変化に伴い人文?社会科学系研究の知見が求められている具体的な事例を紹介しました。さらに、神戸大学?先端バイオ工学研究センター長の蓮沼誠久教授からは、環境調和型のバイオものづくりによる持続可能な社会構築への貢献について、本学の工学部工学科協創経営プログラムの東瀬朗准教授からは、社会科学系研究における資金循環の好事例についての講演がありました。最後に、東京大学公共政策大学院の松尾真紀子特任准教授が、バイオものづくりを通じたバイオエコノミー社会の実現に向けた人文?社会科学的研究の重要性について講演を行いました。

パネルディスカッションでは、助川氏、蓮沼教授、東瀬准教授、松尾特任准教授に加え、神戸大学法学研究科実務法律専攻の高橋裕教授が登壇し、神戸大学の学術研究推進室副室長の寺本時靖URAが進行を務めました。議論は、高橋教授が紹介した「ロイヤル?ダッチ?シェル社(当時)がCO2削減を求められた訴訟事例」をきっかけにスタート。バイオエコノミー実現に向けて、自然科学の研究だけでは課題解決が難しいことや、バリューチェーン全体を見渡しながら分野間を繋ぐ人材の不足など、現状の課題が次々と挙げられました。議論の終盤では、URAへの期待として、人文学?社会科学系と自然科学系の研究者が共に取り組める場づくりや、異なる組織を繋ぐ役割の重要性についても活発な意見が交わされました。

最後に、神戸大学?河端俊典理事が閉会の挨拶を行い、フォーラムは盛況のうちに幕を閉じました。

パネルディスカッションの様子

※2025年3月現在のJINSHA系URAネットワークの13幹事校
大阪大学、京都大学、筑波大学、琉球大学、早稲田大学、北海道大学、横浜国立大学、中央大学、広島大学、東京大学、東北大学、新潟大学、神戸大学
?JINSHAフォーラムとは、URA、研究者、事務職員、府省?資金配分機関担当者などが、ともに人文?社会科学系分野のよりよい研究推進のあり方を議論する場として、2014年より開催しています。フォーラムの企画?運営は、開催校を中心に、各大学の人社系担当URAの有志グループによって行われています。

第10回人文?社会科学系研究推進フォーラムポスター

本件に関するお問い合わせ先

経営戦略本部UA室
電話 025-262-7569

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