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リボソーム二量体化の新機構を解明-リボソーム機能制御機構研究の新展開-

2025年03月28日 金曜日 研究成果

本学自然科学系(理学部)の伊東孝祐准教授、内海利男名誉教授らの研究グループは、チェコ共和国のMasaryk University, Central European Institute of Technology(CEITEC)のGabriel Demo博士らの研究グループ、および九州大学大学院農学研究院の石野園子学術特任教員と共同研究を実施し、古細菌(注1)のリボソーム(注2)が二量体化(注3)する様子を、クライオ電子顕微鏡解析によってはじめて明らかにしました。本研究は、新規のリボソーム二量体化機構の発見であり、リボソームの機能制御機構研究に新たな展開をもたらすものです。また、本研究は、古細菌が極限環境にどのように適応しているのか、その分子機構を理解するために重要な手がかりを提供するものです。

本研究成果のポイント

  • 真核生物や真正細菌では、ストレス環境下でリボソームが二量体化し、タンパク質合成を停止することが知られていたが、古細菌でそのような仕組みがあるかどうかわかっていなかった。
  • 古細菌のリボソームの二量体化機構をはじめて明らかにした。
  • 本研究で明らかになったリボソーム二量体化機構は、これまで知られていた機構とは全く異なる新しいタイプのものであった。
  • 本研究は、リボソームの機能制御機構のみならず、生物の環境適応機構を理解するための重要な手がかりを提供するものである。
【用語解説】

(注1)古細菌
真核生物、真正細菌と並ぶ生物の主要3系統の1つ。超高温や強酸性等、極限環境で生育するものが多い。

(注2)リボソーム
細胞内でタンパク質を合成する生体分子。

(注3)二量体化
2つの同じまたは異なる分子が結合して一体となること。

研究内容の詳細

リボソーム二量体化の新機構を解明-リボソーム機能制御機構研究の新展開-(PDF:1.0MB)

論文情報

【掲載誌】Nucleic Acids Research
【論文タイトル】Novel archaeal ribosome dimerization factor facilitating unique 30S–30S dimerization
【著者】Ahmed H. Hassan, Matyas Pinkas, Chiaki Yaeshima, Sonoko Ishino, Toshio Uchiumi, Kosuke Ito, Gabriel Demo
【doi】10.1093/nar/gkae1324

本件に関するお問い合わせ先

広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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