記憶に残りやすい写真を見ると瞳がちょっと開く
一度見ただけでも記憶に残る写真と、すぐ忘れてしまう写真があるのはなぜなのでしょうか。本学人文学部の新美亮輔准教授(認知心理学)は、風景や物体などのさまざまな写真を見ているときの目の瞳孔の大きさを調べました。すると、写真ごとの明るさの違いなどの影響を考慮してもなお、記憶に残りやすい写真を見ている時にはそうでない写真に比べて瞳孔が少し大きくなっていました。瞳孔の大きさは、明るさに応じて変わるだけでなく、脳の中の認知的活動の状態も無意識に反映するとされています。記憶に残りやすい写真とそうでない写真は、見たときに脳の中で起こる認知的活動に違いがあり、しかもそれが瞳孔の大きさの変化に現れることがわかりました。
本研究成果のポイント
- 記憶に残りやすい写真を見ると、記憶に残りにくい写真を見る時より瞳孔が大きくなった。
- 写真の明るさなど、瞳孔の大きさに影響する他の要因では説明できなかった。
- 瞳孔の大きさの変化は、脳の中の視覚的情報処理を反映している可能性がある。
研究内容の詳細
記憶に残りやすい写真を見ると瞳がちょっと開く(PDF:0.5MB)
論文情報
【掲載誌】Psychophysiology
【論文タイトル】Pupillary responses reflect image memorability
【著者】Ryosuke Niimi
【doi】10.1111/psyp.70007
本件に関するお問い合わせ先
広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp