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M87ブラックホールの1年後:流入ガスの乱れを捉える

2025年01月22日 水曜日 研究成果

本学大学院自然科学研究科/創生学部の小山翔子助教が参加する国際研究チーム「イベント?ホライズン?テレスコープ(EHT)?コラボレーション」は、2017年と2018年の観測結果の比較からM87銀河の中心にある巨大ブラックホールについて理解を深めることに成功しました。本研究では、1年の間に事象の地平面スケールで起こった現象を解析できるようにするため、理論シミュレーション画像を新たに12万枚も追加し、観測結果と照らし合わせました。その結果、M87ブラックホールの自転軸が地球とは反対方向を向いていることを再確認しました。そしてリングの最も明るい場所の変化には、ブラックホールの周囲を回転する降着円盤の乱流が重要な役割を果たしていることを示しました。これはブラックホール周辺の複雑な運動状態を解明する上で大きな前進となります。本研究成果は、2025年1月22日、欧州の天文学専門誌「Astronomy and Astrophysics」に掲載されました。

研究成果の詳細??????????????????????

本研究成果発表の共同発表機関

EHT-Japan、東北大学、八戸工業高等専門学校、新潟大学、自然科学研究機構国立天文台水沢VLBI観測所

海外の共同発表機関

國立台灣師範大学、EHTコラボレーション所属機関

本学の共同研究者

大学院自然科学研究科/創生学部 小山翔子 助教

?論文情報

【掲載誌】 Astronomy and Astrophysics
【論文タイトル】The persistent shadow of the supermassive black hole of M87. II. Model comparisons and theoretical interpretations
【著者】Event Horizon Telescope Collaboration et al.
【doi】10.1051/0004-6361/202451296

小山助教のコメント

「私たちが試験観測や運用に携わったグリーンランド望遠鏡がEHT観測網に加わり、ブラックホール周辺の複雑な振る舞いが次第に解明されていくのを見届けられたことに、大きな喜びを感じています。理論的な考察を基に、今後もEHTが新たな発見をもたらしてくれることを期待しています。」


M87ブラックホールの観測画像(左)と理論画像(中央?右)。(左) 2018年(上)と2017年(下)に行われたEHTの観測で得られたM87ブラックホールの画像。(中央) 2つの異なる時間における一般相対論的磁気流体力学(GRMHD)シミュレーションに基づく画像。(右) 中央の画像をEHTの解像度に合うようにぼかした画像。クレジット:EHT Collaboration

本件に関するお問い合わせ先

広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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