緑内障患者の64%が「運転に問題なし」と回答-自動車運転時の自覚症状と視野障害の関連を大規模に調査-
緑内障は、視力は良好でも視野が狭くなる特性があり、自覚症状がないまま進行することが多い病気です。西葛西?井上眼科病院の國松志保副院長と本学大学院医歯学総合研究科眼科学分野の福地健郎教授らの研究チームは、緑内障患者227名を対象とした運転外来のデータを解析し、運転時の自覚症状と視野障害の関連を初めて大規模に調査しました。その結果、比較的重症の患者を含む64%に運転時の自覚症状がなく、「運転には問題がない」と思い込んでいるケースが多いことを明らかにしました。
本研究成果のポイント
- 運転外来を受診した緑内障患者で、比較的重症例を含む64%が、運転時に見えづらさや不安を感じたことがなく、「運転は問題ない」「正常に見えている」と回答した。
- 視野の中心上方に障害がある場合、自覚症状が生じやすい傾向が確認された。
- 視野障害が進行していても、自覚症状がない患者が多数存在することが明らかになった。
研究内容の詳細
緑内障患者の64%が「運転に問題なし」と回答-自動車運転時の自覚症状と視野障害の関連を大規模に調査-(PDF:1.0MB)
論文情報
【掲載誌】Scientific Reports
【論文タイトル】Discrepancy and agreement between subjective symptoms and visual field impairment in glaucoma patients at a driving assessment clinic
【著者】國松志保、福地健郎、高橋政代、溝田淳、井上賢治
【doi】10.1038/s41598-024-84465-2
本件に関するお問い合わせ先
医歯学系総務課
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