実験室から火星表層に迫る-超小型火山地形ルートレスコーンの空間分布と山体サイズに関する研究-
本学自然科学系(理学部)の野口里奈准教授および本学理学部理学科自然環境科学プログラムの中川航さん(研究当時)は、地球と火星に共通してみられる小型火山地形であるルートレスコーンの形成メカニズムに関する実験的研究を行い、これらの地形の空間分布と山体サイズが自己組織化プロセスによって決定されることを実験的アプローチから明らかにしました。本研究は、溶岩と水の相互作用による噴火爆発現象の理解を深め、火星などの惑星地質学にも新たな知見を提供するものです。
本研究成果のポイント
- 火星表層に無数に存在する火山地形であるルートレスコーンの空間分布は、噴火地点間での水の争奪によって自己組織化されていると従来考えられてきた。
- 溶岩に相当する加熱した水飴と、水を含んだ地層に相当する重曹?ケーキシロップの混合物を用いた室内実験結果から、ルートレスコーンの空間分布には溶岩表面へ突き抜けるための通り道(火道)の争奪も重要な役割を果たすことを発見した。
- 噴火中に起こる火道の合体?切り離しは、ルートレスコーンの空間分布と山体サイズを決める重要な要素であることが示唆された。
研究内容の詳細
実験室から火星表層に迫る-超小型火山地形ルートレスコーンの空間分布と 山体サイズに関する研究-(PDF:0.8MB)
論文情報
【掲載誌】Journal of Volcanology and Geothermal Research
【論文タイトル】Experimental verification for self-organization process on the spatial distribution and edifice size of rootless cone
【著者】Rina Noguchi and Wataru Nakagawa
【doi】10.1016/j.jvolgeores.2024.108221
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