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様々な生物のゲノムに隠されていた新しいタイプのテルペン合成酵素を発見~新規テルペン類の大量発掘に期待~

2024年06月19日 水曜日 研究成果

本学大学院自然科学研究科生物有機化学分野の阿部透博士研究員(現?大学院医歯学総合研究科助教)、同研究科博士前期課程の白鳥遥菜さん、自然科学系(農学部)の上田大次郎助教、佐藤努教授、自然科学系(工学部)の阿部貴志教授、山梨大学大学院総合研究部工学域物質科学系の佐藤玄特任助教?北海道大学大学院先端生命科学研究院の谷口透准教授らの共同研究グループは、立体構造モデルの類似性を基にした酵素探索を行い、従来の探索方法では発見できない新しいタイプのテルペン合成酵素を様々な生物種(細菌?真菌?植物?原生生物)のゲノム情報から効率よく発見することに成功しました。本研究は新しいタイプのテルペン合成酵素とテルペン類(注1)の探索のブレイクスルーとなる成果です。
本研究成果は、2024年6月5日、英国科学誌「Chemical Science」のオンライン版にHot article(注目論文)として掲載されました。

本研究成果のポイント

  • 立体構造モデルの類似性を基にした、新しいタイプのテルペン合成酵素の探索法を開発しました。
  • 新しいタイプのテルペン合成酵素を3タイプ発見し、これらをコードする遺伝子が細菌?真菌?植物?原生生物など様々な生物種のゲノムに存在することを見出しました。
  • 発見された酵素が天然からは見出されていないテルペン化合物を作ることが明らかになりました。
  • 新しい酵素とテルペン類を大量発掘するためのブレイクスルーとなることが期待されます。
【用語解説】

(注1)テルペン類:炭素数5個のイソプレン単位から構成される天然有機化合物群の総称。微生物、植物、昆虫、動物など様々な生物種が生産する。テルペノイド、イソプレノイドとも呼ばれる。メントール(香気成分)、タキソール(抗がん剤)、ステロール類(生体膜成分、シグナル伝達物質)、カロテノイド類(色素、抗酸化物質)などが知られている。

研究内容の詳細

様々な生物のゲノムに隠されていた新しいタイプのテルペン合成酵素を発見~新規テルペン類の大量発掘に期待~(PDF:0.7MB)

論文情報

【掲載誌】Chemical Science
【論文タイトル】Structural-model-based genome mining can efficiently discover novel non-canonical terpene synthases hidden in genomes of diverse species
【著者】Tohru Abe, Haruna Shiratori, Kosuke Kashiwazaki, Kazuma Hiasa, Daijiro Ueda, Tohru Taniguchi, Hajime Sato,?Takashi Abe and Tsutomu Sato
【doi】10.1039/D4SC01381F

本件に関するお問い合わせ先

広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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