透析アミロイドーシスの進展に関連するタンパク質を発見
本学医歯学総合病院血液浄化療法部の山本卓病院教授、大学院医歯学総合研究科腎?膠原病内科学分野の成田一衛教授、同研究科生体液バイオマーカーセンターの山本格名誉教授、大阪大学大学院工学研究科の山口圭一特任准教授(常勤)らの研究グループは、透析アミロイドーシス(注1)の治療で使用する血液浄化器(注2)の性能を調査し、病気の進展に関連するタンパク質を発見しました。
本研究成果のポイント
- 透析患者は長期間の透析治療で透析アミロイドーシスを発症し、骨関節障害を呈します。
- 透析アミロイドーシスの治療に原因タンパク質であるβ2-ミクログロブリン(β2-m)の除去を目的とした血液浄化器が使用されます。
- 血液浄化器に吸着したタンパク質を網羅的に解析したところ、β2-m を含め200種類のタンパク質が同定され、そのうち、リゾチームをはじめとするいくつかの分子はアミロイド形成に関与することが示されました。
【用語解説】
(注1)透析アミロイドーシス
透析患者にβ2-mを原因とするアミロイドが骨関節組織、あるいは諸臓器に沈着することで発症する腎臓病に関連する疾患の一つ。手根管症候群、脊椎症、あるいは関節症を呈し、透析患者の生活活動度に影響する。
(注2)血液浄化器
透析療法で血液の老廃物や水分を除去する機器。β2-m吸着カラムは血液浄化器の一つで吸着の原理で血液中のβ2-mをはじめとするタンパク質を除去する。
研究内容の詳細
透析アミロイドーシスの進展に関連するタンパク質を発見(PDF:0.8MB)
論文情報
【掲載誌】Amyloid:Journal of Protein Folding Disorders
【論文タイトル】Mass spectrometry-based proteomic analysis of proteins adsorbed by hexadecyl-immobilized cellulose bead column for the treatment of dialysis-related amyloidosis
【著者】Suguru Yamamoto, Keiko Yamamoto, Yoshitoshi Hirao, Keiichi Yamaguchi, Kichitaro Nakajima, Mami Sato, Miho Kawachi, Mio Domon, Kei Goto, Kentaro Omori, Noriaki Iino, Hisaki Shimada, Ryuzi Aoyagi, Isei Ei, Shin Goto, Yuji Goto, Fumitake Gejyo, Tadashi Yamamoto, Ichiei Narita
【doi】10.1080/13506129.2024.2315148
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