河床波の発生の起源を発見-壊れにくい河道の設計法の開発に期待-
本学大学院自然科学研究科博士前期課程2年の関翔平、博士後期課程3年の茂木大知(日本学術振興会特別研究員)、本学災害?復興科学研究所/研究統括機構の安田浩保研究教授の研究グループは、洪水時における河道の損壊の要因と推測される河床波1)という河床(河川の底面)に自発的に形成される周期的な起伏形状の発生の起源を世界で初めて発見しました。本研究の成果は、一定規模以上の洪水時に河道が変形を開始する要因の一つの発見と言えるものです。今後、本成果を基盤として洪水が流下しても壊れにくい河道の設計法を実現できる可能性があります。本研究成果は、2023年10月20日、国際科学誌「Physics of Fluids」のオンライン版に掲載されました。
本研究成果のポイント
- 河床波の発生の起源は河川の底面にあると考えてきた定説とは対照的に、本研究は、模型実験における水面と底面の細密な測定により、水面において自励的に発生する波列が河床波の起源となることを明らかにした。
- 河床波は洪水時に河道が変形を開始する要因の一つと推測され、本成果を基盤として洪水が流下しても壊れにくい河道の設計法を実現できる可能性が考えられる。
- 蛇行の発生の起源は河床波と密接に関係すると言われ、今後、蛇行の発生の起源を解明できる可能性が高い。
【用語解説】
1)河床波:河床と呼ばれる河川の水底において、流れと河道を構成する土砂の移動の相互作用により形成されると考えられている周期的な起伏形状。
研究内容の詳細
河床波の発生の起源を発見-壊れにくい河道の設計法の開発に期待-(PDF:1.0MB)
論文情報
【掲載誌】Physics of Fluids
【論文タイトル】Novel Hypothesis on the Occurrence of Sandbars
【著者】Seki S, Moteki D, Yasuda H
【doi】10.1063/5.0171731
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