マクロライド系薬の新たな作用を発見-肺炎球菌の放出する炎症誘導物質を抑制-
本学大学院医歯学総合研究科微生物感染症学分野の土門久哲准教授と寺尾豊教授らの研究グループは、マクロライド系薬(注1)であるアジスロマイシンとエリスロマイシンが、肺炎球菌の放出する炎症誘導物質の産生を抑えることで、炎症の悪化を防ぐことを明らかにしました。本研究成果は、2023年5月16日、米国科学誌「Microbiology Spectrum」のオンライン版に掲載されました。
本研究成果のポイント
- 肺炎球菌はペプチドグリカンやリポタンパク質などの炎症誘導物質を放出し、生体に炎症を引き起こす。
- 本研究では、マクロライド系薬がこれら炎症誘導物質の産生を抑制することを明らかにした。
- 炎症誘導物質を標的とした新たな肺炎治療法の開発につながる可能性が示唆された。
【用語解説】
(注1)細菌のタンパク質合成を抑制する抗菌薬。
研究内容の詳細
マクロライド系薬の新たな作用を発見-肺炎球菌の放出する炎症誘導物質を抑制-(PDF:0.8MB)
論文情報
【掲載誌】Microbiology Spectrum
【論文タイトル】Macrolides decrease the proinflammatory activity of macrolide-resistant Streptococcus pneumoniae
【著者】Hisanori Domon, Satoru Hirayama, Toshihito Isono, Karin Sasagawa, Fumio Takizawa, Tomoki Maekawa, Katsunori Yanagihara, Yutaka Terao
【doi】10.1128/spectrum.00148-23
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