サルには単語を頭の中で綴る能力がある-言語の起源の探究と言語機能の解明に道筋-
ヒトの言語の普遍的な特徴の一つに、ある物を表す「単語」が、いくつかの無意味な「文字」の組み合わせでできていることがあります。本学工学部人間支援感性科学プログラム/医学部保健学科の飯島淳彦教授、大学院医歯学総合研究科神経生理学教室の劉南希(大学院生)、長谷川功教授らのグループは、マカクザル※にも、無意味な図形文字を頭の中で綴って物の意味を表す能力があることを実証しました。この結果は、文字言語に進化した前駆的な能力の起源が人間とマカクザルとの共通の祖先にもあることを示唆し、言語の進化の過程と小児の言語発達や言語獲得のメカニズムを理解する上でも重要な発見です。本研究の成果は、2022年3月4日にSpringer Nature社の発行する科学雑誌Scientific Reportsに掲載されました。
※霊長目オナカ?サ?ル科マカク属に属する哺乳類て?あり、ニホンサ?ルもこの一種である。
本研究成果のポイント
- ニホンザルは、図形文字を頭の中で組み立て、物の意味を表す単語を綴ることができた。
- ニホンザルは、文字を綴る順序を自ら生み出した。
研究内容の詳細
サルには単語を頭の中で綴る能力がある-言語の起源の探究と言語機能の解明に道筋-(PDF:1.4MB)
論文情報
【掲載誌】Scientific Reports
【論文タイトル】Mental construction of object symbols from meaningless elements by Japanese macaques (Macaca fuscata)
【著者】Nanxi Liu*, Atsuhiko Iijima*#, Yutaka Iwata, Kento Ohashi, Nobuyoshi Fujisawa, Toshikuni Sasaoka, Isao Hasegawa#(* 先頭2名は共同筆頭著者、# 責任著者)
【doi】10.1038/s41598-022-07563-z
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