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造血幹細胞移植時の集中的口腔ケアの重要性を明らかに-好中球生着後の血流感染症を軽減する-

2021年12月08日 水曜日 研究成果

本学医学部血液?内分泌?代謝内科学教室(曽根博仁教授)の諏訪部達也医師、布施香子助教、増子正義病院教授らの研究チームは、歯学部顎顔面放射線学分野の勝良剛詞病院准教授との共同研究で、歯科専門チームによる集中的口腔ケアに同種造血幹細胞移植(注1)時の血流感染(注2)を減少させる効果があることを示しました。これにより、新潟大学医歯学総合病院の特徴の一つである緊密な医科歯科連携が造血幹細胞移植領域においても重要であることが明らかにされました。

本研究成果のポイント

  • 主に血液疾患に対して同種造血幹細胞移植が行われますが、一時的免疫低下による重篤な感染症;血流感染が問題となり、時に命の危険も生じます。
  • 歯科専門チームによる定期的?集中的口腔ケアを受けた患者さんでは、好中球が回復した後の血流感染発生率は約3分の1に低下していました。
  • この研究は造血幹細胞移植領域における医科歯科連携の重要性を示しています。

 

【用語解説】
(注1)同種造血幹細胞移植:
造血幹細胞は骨髄の中で全ての血球を作り出す源となる細胞です。ドナーさんから採取した造血幹細胞を抗がん剤などで治療した後の患者さんに移植、病気を治すために行うのが、同種造血幹細胞移植です。血液疾患のほか、一部の先天性疾患でも行われることがあります。一時的に高度な免疫不全の状態になります。

(注2)血流感染
感染症のうち、血液の細菌培養が陽性であること。菌血症。

研究内容の詳細

造血幹細胞移植時の集中的口腔ケアの重要性を明らかに-好中球生着後の血流感染症を軽減する-(PDF:452KB)

論文情報

【掲載誌】Supportive Care in Cancer
【論文タイトル】Intensive oral care can reduce bloodstream infection with coagulase-negative staphylococci after neutrophil engraftment in allogeneic hematopoietic stem-cell transplantation
【著者】Tatsuya Suwabe, Kyoko Fuse, Kouji Katsura, Marie Soga, Takayuki Katagiri, Yasuhiko Shibasaki, Miwako Narita, Hirohito Sone, Masayoshi Masuko
【doi】10.1007/s00520-021-06447-8

本件に関するお問い合わせ先

広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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