世界最小のエネルギーで水を酸素と水素に電解することに成功-高効率水素生成技術で脱炭素社会実現への足掛かりに-
持続可能な脱炭素社会の実現への期待が高まる中、水電解による水素生成技術に高い関心が寄せられています。本学自然科学系の坪ノ内優太特任助教、Zaki N. Zahran(ザキ ナビホ アハメド ザハラン)特任准教授、八木政行教授らの研究グループは、世界に類を見ない超低過電圧(注1)で水を分解する高活性酸素発生触媒(注2)を開発し、世界最小のエネルギーで水を電解することに成功しました。本研究成果により、エネルギー供給のみでなく、様々な産業から生活様式に至るまで大きな社会変革がもたらされ、脱炭素社会への足掛かりが得られると期待されます。
本研究成果のポイント
- 世界に類を見ない超低過電圧で水を分解する高活性酸素発生触媒を開発しました。
- 世界最小のエネルギーで水を電解することに成功しました。
- 高活性酸素発生触媒の開発ガイドラインを提供する研究成果です。
【用語解説】
(注1)過電圧:
実際に反応を進行させるときに必要な電圧と反応の理論電圧との差。この値が低いほど、高効率の電極といえます。
(注2)酸素発生触媒:
水を酸化して酸素を発生する反応を促進する物質
研究内容の詳細
世界最小のエネルギーで水を酸素と水素に電解することに成功-高効率水素生成技術で脱炭素社会実現への足掛かりに-(PDF:698KB)
論文情報
【掲載誌】Energy & Environmental Science
【論文タイトル】Electrocatalytic water splitting with unprecedentedly low overpotentials by nickel sulfide nanowires stuffed into carbon nitride scabbards
【著者】Zaki N. Zahran, Eman A. Mohamed, Yuta Tsubonouchi, Manabu Ishizaki, Takanari Togashi, Masato Kurihara, Kenji Saito, Tatsuto Yui, Masayuki Yagi
【doi】10.1039/D1EE00509J
2021年5月28日、報道機関向けに記者発表を行いました。
本件に関するお問い合わせ先
広報室
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