大学院自然科学研究科の中野和弘教授が「日本農業工学会賞2018」及び「新農林社賞」を受賞しました
大学院自然科学研究科(農学部)の中野和弘教授が,「日本農業工学会賞2018」を受賞し, 5月15日に東京大学(中島薫一郎記念ホール)で行われた表彰式と受賞講演会においてこれまでの研究の経緯とその成果を講演しました。併せて「新農林社賞」も受賞しました。
日本農業工学会は,農業工学に関する会員相互の協力により,農業工学及びその技術の進歩発達に資することを目的として1984年に設立され,10の学術団体(会員数約15,000名)から構成された連合組織です。
今回中野教授が受賞した日本農業工学学会賞は,農業工学分野における学術業績,国際性,社会貢献,実用性などの項目を考慮し,特に優れた功績に授与されるものです。また,併設の新農林社賞は,農業工学分野における特に優れた研究業績と農業の発展への貢献に授与される賞です。
なお,中野教授の受賞講演の要旨は次のとおりです。
「ハウス栽培篤農家のノウハウ抽出に関する研究」
ネットメロン栽培時のハウス内土壌水分管理は,篤農家ノウハウ(熟練技術や経験)が必要とされる難しい作業であり,果実品質に大きく影響する。本研究ではメロンの生育ステージごとに土壌水分目標範囲を設定し,篤農家ノウハウをハウス内環境に基づいて表現したファジィ制御により,その日の最適灌水量を管理した。慣行区(篤農家の手灌水)の総灌水量と比較した結果,土壌水分目標範囲を下回った時に灌水するON-OFF制御区は節水率16.5%であったのに対し,ファジィ制御区は同48.7%であった。糖度と外観等級は,3区とも同等であった。本研究で開発されたファジィ灌水制御は,ルールのチューニングの簡便性,灌水作業時間の短縮や高い節水効果などが認められ,ハウスメロン栽培に有効であることが示された。
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