このページの本文へ移動
  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 平成27年度入学式 学長告辞

平成27年度入学式 学長告辞

2015年04月06日 月曜日 トピックス

本日ここに、ご来賓ならびに関係各位のご臨席を賜り、平成27年度新潟大学入学式を盛大に挙行できますことは、私ども新潟大学教職員一同の大きな喜びであります。
この度、新潟大学に入学を認められましたのは、外国からの留学生77人を含め、学士課程では2,461人、大学院修士課程では620人、大学院博士課程では156人、大学院専門職学位課程では15人、養護教諭特別別科では40人、総計3,292人であります。

新入生の皆さん、新潟大学への入学おめでとうございます。
私たち教職員一同、心より歓迎いたします。
また、これまで新入生の皆さんを温かく見守り、支援をして来られたご家族?保護者の方々にも心からお祝い申し上げます。同時に、本日、ご列席をいただきました多くの方々に深く御礼を申し上げます。

新入生の皆さんは、これまで励んできた学業の努力が実を結び、本日、新潟大学に入学しました。これからは、大学生として、人生の新たなステップを踏み出すときです。喜びと期待感でいっぱいと思います。どうぞ、その新鮮な気持ちを、いつまでも忘れないでいて下さい。

新潟大学は今から遡ること約140年前に、前身となる学校が開設されました。その後、昭和24年、1949年に新制国立大学として発足しました。その後、長い歴史と豊かな伝統を育み、現在は、九つの学部、五つの大学院研究科、二つの専門職大学院、脳研究所、災害?復興科学研究所、ならびに医歯学総合病院を有し、学生数約13,000人、教職員数約2,900人を擁する全国有数の大規模総合大学に発展してきました。

本学は、豊かな自然に満ちた広大な越後平野に囲まれ、本州日本海側で唯一の政令都市である新潟市に立地し、学問や研究に適した恵まれた環境の中で、日本海側から環東アジア地域に展開する教育研究の拠点として、その役割を果たしてきました。

本学は、「自律と創生」を全学の理念として掲げ、教育と研究を通じて地域や世界の平和と発展に寄与することを大学の目的としています。本学が重視している教育の基本は、専門を深く極めることはもちろんですが、広い視野をもち、ものごとを総合的に判断し、課題を見つけて、それを解決する力を身につけた学生を育てることです。このために、本学の全教職員は一体となって、入学した学生一人一人に丁寧な教育を行うよう日々努力を重ねています。

これまで皆さんは、高校生活において、どちらかと言うと、与えられた課題に対して対応してゆく事で、学業を行ってきたと思います。大学生となったこれからは、それだけでなく、自ら課題を模索して、それに対して正面から向き合い、解決策を探して実行する事を求められます。それは決して簡単な事ではなく、そのためには今まで以上に広い視野に立って物事を考える姿勢を持たなくてはなりません。
自分を客観的な立場でみたり、相手の立場で考えたり、今まで以上に広い視野に立って物事を考えるにはどうしたら良いでしょう。幸いな事に、この度、皆さんが入学した新潟大学は全国から多数の学生が入学する総合大学です。多様?多彩な人材が、同じ学部、学科だけに限らず、複数の学部に渡って存在します。是非、全学的に同級生や先輩たちと交わり、自分の視野や可能性を拡大する努力をしてください。

また、在学中に海外へ留学することも勧めます。そのために、皆さんには多数の機会が学内、学外に用意されています。短期、長期に関わらず海外での生活は、色々な意味で刺激になり、皆さんの可能性を広げてくれると思います。単なる海外観光旅行でも、それなりに意義あるものですが、可能でしたら、学業を通じての海外留学、海外の大学生とも交流できる留学を勧めます。

近年の社会では、いわゆる「グローバル人材」の必要性が以前にも増して叫ばれています。背景には、国際交流の活発化、経済活動のグローバル化、それに伴う人々の意識のボーダレス化などがあります。社会経済構造は大きく変化し、国境を越えて高度で複雑に絡み合う様々な課題が生まれているためです。
このように変化する社会に対応するため、新潟大学では「グローバル人材」の育成に取り組み、世界と地域を結ぶことのできる、様々なプログラムを用意しています。
是非、本学のグローバル人材育成のプログラムに積極的に参加し、高い専門性と広い教養に加えて、高度な語学力と異文化適応力を身につけ、地域社会から国際社会まで貢献できる人材、真の国際人に育ってください。
これから皆さんが経験する大学生という時代は、人生で最も活力と希望にあふれ、多くの可能性が芽生える、何ものにも代え難い期間です。繰り返しますが、本学の基本理念である「自律と創生」を強く意識して、世界に目を向け、物事を広くとらえ、主体的に学ぶ姿勢を獲得してください。

また、これからの大学生活では、学問ばかりでなく、クラブ活動やボランティアなどの課外活動にも積極的に参加してください。そこでは、協調性やリーダーシップを身につけ、同時に多くの友人を得てください。本学では、海外からの留学生約500人を含めて、国内外から集まった多くの学生達が学んでいます。大学時代に形成した友情は、一生涯の財産となり、皆さんの今後の人生をさらに豊かなものにしてくれます。同時に、「我が師」となる先輩、先生も見つけてほしいと願っています。

さて、先月の11日には東日本大震災から4年が経過しました。昨年には大規模な土砂崩れや火山噴火等もあり、いずれも大きな災害に見舞われ、多数の方が犠牲になりました。多くの人々の努力により復興への取組みは着実に行われていると思います。しかし、残る課題は山積し、これから長い時間をかけて復興に努めなくてはなりません。さらに、これからも起こる可能性のある新たな災害に対する防災、減災、緊急医療支援等にも取り組まなくてはなりません。
次代を担う皆さんには、社会から大きな期待が寄せられています。大学でしっかり学ぶことによって、どのような側面から社会に貢献できるのか、学生生活を通じてじっくりと考え、学識と技術を培っていただきたいと思います。我が国の、そして世界の未来が、皆さんの将来に掛かっていることを自覚し、それに応えられるよう大学生活を通じて、その基礎力を身に着けてほしいと切に願っています。

最後に、新入生の皆さんが実り豊かで、活発で明るい大学生活を過ごし、大きく飛躍することを祈念し、私の告辞といたします。

 

平成27年4月6日
新潟大学長 髙橋 姿

他のニュースも読む