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平成26年度卒業式 学長告辞

2015年03月30日 月曜日 トピックス

豊かな自然が織りなす新潟の季節の節目を迎え,本日ここに,関係各位のご臨席のもと,平成26年度の新潟大学卒業式を盛大に挙行できますことは,卒業生ならびに修了生の皆さんはもとより,新潟大学にとりましても大きな喜びであります。

ただいま,学部卒業生2,365名,大学院修了生699名,学位論文提出者7名,養護教諭特別別科修了生43名,計3,114名の皆さんに学位記ならびに修了証書を授与いたしました。

卒業生?修了生の皆さんは,本学で実りある,充実した学生生活を過ごし,本日,めでたく,卒業ならびに修了の日を迎えました。私は,新潟大学を代表して,心からお祝いを申し上げます。
皆さんの中には,学問一筋に切磋琢磨してきた学生,勉学のみならず部活やボランティア活動等に励んできた学生,事と勉学とを両立させながら,多くの制約を克服されてきた社会人学生,さらには,言葉や生活習慣の違いをのり越えてきた海外からの留学生もいます。さまざまの立場の多様な目的を持った学生が,新潟大学という一つのキャンパスの中で,さまざまな困難を乗り越えながら,卒業という目的を立派に全うされました。皆さんの努力に対し,称賛の拍手を送りたいと思います。
同時に,今日の日を待ちわび,これまで長い間支援されてこられたご家族?保護者の皆様にも,心からお祝いを申し上げます。また,本日,ご多忙のなか,ご臨席賜りました多数の方々には,心から御礼を申し上げます。

今,この会場の卒業生ならびに修了生の皆さんは,大きなことをやり遂げた充実感に満ち,晴れがましい気持ちと,新たな旅立ちへの希望の中で,感無量のことと思います。どうぞ,本学に入学した当時の心境から今日の日を迎えるまでの日々を振り返り,自分自身がどのように成長してきたかを,じっくり思い起こしてください。そのような中で,これまで皆さんを育て,支え続けてくれた,ご家族をはじめとする,周りの方々のことを思い,感謝の気持ちを持って,素直に伝えてください。本日,卒業式という日を無事迎えることができたのは,決して皆さん個人だけの努力ではないということを,今一度確認して卒業していただきたいと思います。

今から四年前の,3月11日には東日本大震災が発生しましたことは,いまだ記憶に強く残っていると思います。ご承知の様に,東北地方はもちろんのこと,日本全体が大きな影響を受け続けています。本県には,いまだ4,000人以上の人々が避難生活を送っています。そして,本日,卒業式を迎えた皆さんの多くは,震災の悲しみの中,一同が会する入学式が取りやめになった学年でもあります。その後の大震災及び原発事故の傷跡は深く,被災地の復興はまだまだです。
また,東日本大震災の経験を申すまでもなく,大地震?津波,豪雨?豪雪,土砂崩れ等の自然災害,世界のエネルギー問題,食糧問題,環境問題,感染症,テロなど,人類の全体の生存と尊厳を揺るがし,世界的な経済不安を招き,国家間の多発的な紛争も依然として続いています。一方では,科学技術?医療?教育等,幅広い分野において,グローバル化が進展し,それらに伴って社会は多様な要素が複雑に絡み合い,変化しています。

このような国内外の社会情勢において,本日卒業の日を迎える皆さんは,我が国の未来を背負って立つ「次世代の力」にならなくてはなりません。これから確実に進展すると思われるのは,金融,経済,政治,行政,文化,スポーツなど,あらゆる分野での「グローバル化」です。そのような世の中に有って,活躍できる人材として,これからも成長し続けてほしいと,強く願っています。それは,直ちに国際的に活躍するという意味ではなく,新しい門出にあたり,将来への夢や希望も含めて,自らのグローバル化を意識してほしいということです。仮にローカルな職業に就いたとしても,常に世界を意識し,その座標の中での位置を考えて行動してください。そのことが,目の前にある仕事にも影響し,その後の展開も広がると思います。
もちろん,将来に対する不安はあると思います。しかし,皆さんが,新潟大学において獲得した広い視野と教養,高い専門性は,必ずや大きな武器として,皆さんを支えてくれるはずです。どうぞ,多くの皆さんの先輩達と同様に,自信と情熱をもって社会で活躍してください。新潟大学での学生生活で培われたすべてが,皆さんの財産となって,これからの人生を豊かで,活力あるものにしてくれると確信しています。
これから社会という大海原に出航する皆さんの将来への航海は,決して安易なものではなく,大風,荒波の日もあるでしょう。乗り込んだ船も大きいものばかりとは限りません。しかし,皆さんが不断の努力を持続すれば,次第に海も穏やかになり,船も安定し,視界も大きく広がってくるでしょう。どうぞ,本学を卒業したことに大きなプライドと自信を持って,これまでに獲得した広い視野や専門性に一層の磨きをかけて,繰り返し襲ってくる人生の荒波を,乗り切ってください。

その人生の大航海において,皆さんの母校新潟大学が,少しでも役立つ可能性があるようでしたら,遠慮なく立ち寄って相談してください。われわれ教職員はいつまでも皆さんのサポーターです。と同時に,これからの皆さんは本学の同窓会員でもあります。本学の同窓生として新潟大学を支援していただき,皆さんの後輩の指標となっていただきたいと思います。

最後に,卒業生,修了生の皆さんが,自信と誇りをもって社会に大きく羽ばたき,その前途が幸多きものになるよう,心より祈念して,私の告辞といたします。

 

平成27年3月23日
新潟大学長 髙橋 姿

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