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自然科学研究科環境科学専攻フィールド科学コース(博士後期課程)の三つのポリシー
ディプロマ?ポリシー
人材育成目標(修了生が身に付けるべき資質?能力)
21世紀の地球は気候変動に伴う生態系等の環境変化、自然災害の頻発、食糧不足が予想されます。大きく変化する自然との共生の道を探りながら、直面する諸産業や社会基盤の構造的変化に対応し、災害に強く、豊かで魅力的な社会生活環境を整備維持し次世代に引き継いでいく必要があります。当プログラムは、フィールド科学の専門的知見及びその知見を活用する能力を有するとともに社会科学や人間科学からの観点を踏まえて、グローバル~ローカルな環境変動に伴う地域社会の現況や今後直面する諸問題に的確に対処し、豊かな自然?社会生活環境の再生?活性化の変革?刷新を牽引する上位専門職?研究職を養成します。
この人材育成目標に対応して養成する以下の能力を修得し、本学に当該プログラムの修業年限以上在学し、所定の授業科目19単位以上を修得した者で、下記の能力を有すると認められる者に、博士(学術)、博士(理学)又は博士(農学)の学位を授与します。
プログラムの到達目標(目標としての学修成果)
知識?理解
- 自然環境における諸現象の形成メカニズムや変動過程の多角的視点による高度な学術的理解を有している。
- 生物多様性の観点による生態系、水循環、バイオマスの高度な理解を有し、環境保全?森林及び生態系管理への専門的応用ができる。
- 地球温暖化などの気候変動に伴う地球環境、自然環境、社会生活環境の変化?変動の高度な理解を有し対策ができる。
- 地球物質の形成過程、地球の諸構造の生成?変化?相互作用、地球創生以来の地球環境変遷の高度な学術的理解を有している。
- 雪氷災害、水災害、地盤?土砂災害、火山災害及びこれらの複合災害の発生機構の高度な学術的理解を有し防災?減災技術への応用ができる。
当該分野固有の能力
- 自然?社会?人類に対する専門性に基づく高度な倫理的判断能力を身に付けている。
- 地球?自然?社会環境に関わる高度な諸データ収集?取得?処理?解析をすることができる。
- 地球?自然?社会環境に関わる諸現象?事象の高度な理解に基づく専門的に考察をすることができる。
- 野外の諸活動における的確な調査?観察?観測実施遂行能力及び現場判断能力を身に付けている。
- 変化する地球環境?災害との共生の道を探り、直面する災害問題?社会基盤の構造的変化に専門的に対応することができる。
汎用的能力
- 最先端の知にアクセスする専門的能を身に付けている。
- 自ら発見?設定した課題について仮説を構築し、専門性に基づいて検証し解決することができる。
- 社会的?経済的価値を的確に判断し、合意形成を導くことができる。
- 地域の諸問題について地域とのコミュニケーションを図り中立的な立場から問題解決策を取りまとめることができる。
- 国際学会において研究発表及び議論できる語学力を含む能力を身に付けている。
- レフェリーシステムの確立した学術雑誌に掲載される水準の論文を執筆することができる。
態度?姿勢
- 多様な分野の専門家と協働し、科学的知見に基づいて論理的に議論する態度を備えている。
- 広い学問的視野に基づいて物事を理解し、習得した高度な知識?知見を、現実の事象に的確に応用?適用する姿勢を備えている。
- グループ活動(課題、ゼミ)においてメンバーを尊重する態度とグループ運営において中心的な役割を担う姿勢を備えている。
- 気候変動に伴う諸環境変化や諸問題に対応し、専門的知見に基づいて豊かで魅力的な社会生活環境を次世代に引き継ぐ積極的姿勢を備えている。
カリキュラム?ポリシー
到達目標に達するための教育課程
カリキュラム編成、学修内容?方法
博士後期課程では、フィールド科学の専門的知見?能力を有するとともに社会科学や人間科学からの観点を踏まえて、グローバル~ローカルな環境変動に伴う地域社会の現況や今後直面する諸問題に的確に対処し、豊かな自然?社会生活環境の再生?活性化の変革?刷新を牽引する上位専門職?研究職を養成する目的に対応したカリキュラムが編成されています。学生はそれぞれにカスタマイズされた履修プランに基づいて計画的に学修します。「課程?専攻共通科目等(A)」では、環境科学の幅広い視野を持つとともに、社会科学や人間科学の素養を備え、上位専門職?研究職として求められる高い社会実践力を習得します。「専門科目(B)」では、生態学、環境動態学、災害科学をコアとしたフィールド科学のより高度な専門的知見?知識を習得します。「研究?演習?セミナー(C)」では、高い課題解決能力、国際的に通用する研究能力、論文作成能力、コミュニケーション能力を習得します。
- 第1期(第1、2セメスター)の必修科目「環境ファシリテーター論及び演習(A)」では、ファシリテーターとして地域社会の諸問題を中立的立場での課題解決能力を養い、目的を達成することのできる上位専門職?研究職の素地を養成します。また「キャリアマネジメントセミナー」を選択必修科目として、社会で活躍する博士人材としての実践力を習得します。また自身の研究分野の専門科目(B)のみならず、学際的な視点を養う目的で他コース専門科目(A)を履修します。第2セメスターでは「環境科学演習(A)」を履修し、より高度な研究スキルや発表スキルを習得します。また社会実践力をさらに高める「博士のためのインターンシップ(A)」の履修も推奨しています。
- 第2期(第3、4セメスター)では、「環境科学特定研究(C)」を履修し、博士論文作成に向けて本格的なリサーチワークに入ります。「ISI誌投稿特別演習(C)」、「海外プロジェクト特別演習(C)」の履修を推奨し、国際的にも通用する高度な研究能力、論文作成能力、プレゼンテーション能力、コミュニケーシン能力を習得します。これらを踏まえて第2期後半には「中間発表D(C)」において研究中間成果をまとめ、研究指導委員会により学位候補が決定されます。
- 第3期(第5、6セメスター)は「環境科学特定研究(C)」をコアとして、レフェリーシステムの確立した学術雑誌への論文の掲載を目指すとともに、これまでの研究成果を取りまとめ博士論文の作成に専念します。学修成果の評価は、学位候補、博士論文の内容、主査?副査による口頭試問、公聴会における質疑を踏まえ、論文審査委員会により「学位論文審査基準」に基づいて適切な学位が決定されます。
学修成果の評価方法
- 科目群(A)(「環境ファシリテーター論及び演習」を除く)、(B)の学修成果は、科目における課題、レポート、試験により一定以上の成績を修めることで評価されます。科目群(C)の学修成果は、最先端の知にアクセスする専門的能力、課題の仮説構築?検証?解決能力、価値判断?合意形成能力、中立的立場における問題解決能力、解決した課題を取りまとめて報告及びセミナー等に発表?議論する語学力を含めた能力を、研究指導委員会によって評価します。
- 「環境ファシリテーター論及び演習」は、事前学習は授業担当者、フィールド調査及びグループワークにおける課題解決取りまとめ能力は課題に関わる地域?企業?行政関係者等によるルーブリック評価に基づく学修成果の到達度から、研究指導委員会がファシリテーターの素地を総合的に評価します。
アドミッション?ポリシー
入学者に求める資質?能力と入学者選抜方法
入学者に求める資質?能力(求める学生像)
本プログラムで目指す人材を養成するために、以下のような資質?能力を有する学生を求めます。
- フィールド科学分野の博士前期課程修了レベルの基礎学力及び修士号またはそれに相当する実績を有する人
- 既成の学問領域の枠組みを越えた総合的視点に立ち、21世紀の環境?社会変化に対応する高度の専門性と中核リーダーの素養を有し、地域環境?社会の発展?再生?活性化を牽引する上位専門職?研究職を目指す人
- 理学及び農学の複合的なフィールド科学の視点から、多面的に地球的規模及び地域社会の環境問題の解決に野外調査や観測を通じて実践的に取り組む人
- 先端的?学際的なフィールド科学に関する学習?研究を通じて、ファシリテーターとして地域社会の諸問題について中立的立場における課題解決能力の習得を目指す人
- 本プログラム博士前期課程を修了した学生に限定せず、関連分野及び広く人間科学?社会科学を専修した博士前期課程修了学生を含め、フィールド科学にかかわる問題に積極的に関わっていこうとする高い実務経験を有する社会人
- 本プログラムに対応する学問分野を専修した学生に限定せず、広く人間科学?社会科学の博士前期課程修了レベルの基礎学力及び修士号またはそれに相当する実績を有し、フィールド科学にかかわる諸問題に積極的に関わっていこうとする人
- 博士前期課程修了レベルの基礎学力及び修士号またはそれに相当する実績及び、フィールド科学分野の諸問題の解決に取り組んだキャリアを有し、地域環境?社会の発展?再生?活性化を牽引する上位専門職?研究職を目指す社会人
選抜方法
博士前期課程修了レベルの基礎学力、専門分野に対する高度な知識と十分な研究遂行能力、コミュニケーション能力、専門分野に対する明確な動機や意欲をみるため、以下の方法により選抜します。
一般選抜
本選抜では、 博士前期(修士)課程で習得した知識と探求能力を更に発展させ、フィールド科学を生かした地域社会の発展?再生?活性化を牽引する上位専門職?研究職を志し、十分な専門的知識?能力および強い意志をもつ学生を選抜する。またフィールド科学を生かした上位の専門的職業人を目指す、高い勉学及び研究意欲を有する社会人を選抜する。
口述試験では修士学位論文(又は研究経過報告書)及び研究計画書の妥当性、研究遂行能力を評価する。
社会人特別選抜
本選抜では、博士前期課程で学んだ知識と社会人としてのキャリアを基礎に、新しい知識を学びこれを積極的に活用する手法を習得し、上位の専門的職業人としてのキャリアアップや、フィールド科学の新たな分野に進む勉学意欲と自主努力を行う強い意志をもつ社会人を選抜する。
口述試験では修士学位論文(又は研究経過報告書)及び研究計画書の妥当性、研究遂行能力を評価する。
外国人留学生特別選抜
本選抜では、当プログラムでの学修支障ない基礎学力を有し、修士学位論文(または博士前期(修士)課程修了以上の資格あるいはこれと同等以上の能力)により研究遂行能力を評価する。また、面接により日本語あるいは英語による必要最小限のコミュニケーションの能力及び研究意欲を評価する。