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自然科学研究科環境科学専攻 フィールド科学コース(博士前期課程)の三つのポリシー
ディプロマ?ポリシー
人材育成目標(修了生が身に付けるべき資質?能力)
21世紀の地球は気候変動に伴う生態系等の環境変化、自然災害の頻発、食糧不足が予想されます。大きく変化する自然との共生の道を探りながら、直面する諸産業や社会基盤の構造的変化に対応し、災害に強く、豊かで魅力的な社会生活環境を整備維持し次世代に引き継いでいく必要があります。当プログラムは、フィールド科学の専門的知見を有するとともに社会科学や人間科学の素養を備え、環境変化に伴う地域社会の現況や今後直面する諸問題に対処し、豊かな自然?社会生活環境の再生?活性化に活躍?貢献する中核リーダーを養成します。
この人材育成目標に対応して養成する以下の能力を修得し、本学に当該プログラムの修業年限以上在学し、所定の授業科目38単位以上を修得した者で、下記の能力を有すると認められる者に、修士(学術)、修士(理学)又は修士(農学)の学位を授与します。
プログラムの到達目標(目標としての学修成果)
知識?理解
- 自然環境における諸現象の形成メカニズムや変動過程の多角的視点による学術的理解を有している。
- 生物多様性の観点による生態系、水循環、バイオマスの学術的理解を有し、環境保全?森林及び生態系管理への応用ができる。
- 地球温暖化などの気候変動に伴う地球環境、自然環境、社会生活環境の変化?変動を理解し対策ができる。
- 地球物質の形成過程、地球の諸構造の生成?変化?相互作用、地球創生以来の地球環境変遷の学術的理解を有している。
- 雪氷災害、水災害、地盤?土砂災害、火山災害及びこれらの複合災害の発生機構の学術的理解を有し防災?減災技術への応用ができる。
当該分野固有の能力
- 自然?社会?人類に対する専門性に基づく倫理的判断能力を身に付けている。
- 地球?自然?社会環境に関わる諸データ収集?取得?処理?解析をすることができる。
- 地球?自然?社会環境に関わる諸現象?事象の理解に基づく考察をすることができる。
- 野外の諸活動における調査?観察?観測実施遂行能力及び現場判断能力を身に付けている。
- 変化する地球環境との共生の道を探り、直面する資源問題?農林水産業?社会基盤の構造的変化に対応することができる。
汎用的能力
- 最先端の知にアクセスする専門的能力を身に付けている。
- 自ら課題を発見?設定し、解決することができる。
- 社会的?経済的価値を判断?創出することができる。
- 地域の諸問題について地域とのコミュニケーションを通じて問題解決策を提案できる。
- 国内学会において研究発表及び議論できる。
- 定められた期間で課題を解決してまとめ、報告することができる。
態度?姿勢
- 多様な分野の専門家と協働する積極的態度を備えている。
- 広い学問的視野に基づいて物事を理解し、現実の事象に応用?適用する姿勢を備えている。
- グループ活動(課題、ゼミ)においてメンバーを尊重する態度と協調して活動する姿勢を備えている。
- 気候変動に伴う諸環境変化や諸問題に対応し、豊かで魅力的な社会生活環境を次世代に引き継ぐ姿勢を備えている。
カリキュラム?ポリシー
到達目標に達するための教育課程
カリキュラム編成、学修内容?方法
博士前期課程では、フィールド科学の専門的知見を有するとともに社会科学や人間科学の素養を備え、環境変化に伴う地域社会の現況や今後直面する諸問題に対処し、豊かな自然?社会生活環境の再生?活性化に活躍?貢献する中核リーダーを養成する目的に対応したカリキュラムが編成されています。学生はそれぞれにカスタマイズされた履修プランに基づいて計画的に学修します。「課程?専攻共通科目等(A)」では、環境科学の幅広い視野を持つとともに、社会科学や人間科学の素養を備え、中核リーダーとして求められる社会実践力を習得します。「専門科目(B)」では、生態学、環境動態学、災害科学をコアとしたフィールド科学の専門的知見?知識を習得します。「研究?演習?セミナー(C)」では、課題解決能力、研究能力、論文作成能力、コミュニケーション能力を習得します。
- 第1期(第1セメスター)の必修科目「環境ガバナンス概論(A)」は中核リーダーとしての素地を養成する課題解決型科目で地域社会の諸問題の実況調査及びグループワークを通じた課題解決策の提言を行います。また必修科目「自然科学総論(A)」や他コース科目を通じて幅広い視野と教養を備えます。また専門科目(B)の習得を通じて分野の専門性を高め、「環境科学セミナー(C)」では自身の研究分野の最新の知見を学び、「環境科学特定研究IV(C)」において研究のスタートラインに立ちます。社会で活躍する人材としての実践力を習得する「キャリアマネジメントセミナー」の履修も推奨しています。
- 第2期(第2セメスター)では、課程?専攻共通科目等(A)、専門科目(B)の習得を通じて引き続き幅広い視点と専門性を深めるとともに、「修士のためのインターンシップ(A)」を通じて社会的実践力を習得します。また「環境科学特定研究IV(C)」では研究スキル、「環境科学総合演習IV(C)」において発表スキルを習得し、期末の「研究発表演習IV(中間発表)(C)」において研究初期成果をまとめ、研究指導委員会により学位候補が決定されます。
- 第3期(第3、4セメスター)はリサーチワークが中心となってきます。より高度な研究スキルを「環境科学特定演習IV(C)」により習得し、「研究発表演習IV(C)」により学外発表にも挑戦します。第3期後半は「環境科学特定研究IV(C)」の総決算としてこれまでの研究成果を取りまとめ修士論文を作成します。学修成果の評価は、学位候補、修士論文の内容、主査?副査による口頭試問、公開発表会の質疑を踏まえ、論文審査委員会により「学位論文審査基準」に基づいて適切な学位が決定されます。
学修成果の評価方法
- 科目群(A)(「環境ガバナンス概論」を除く)、(B)の学修成果は、科目における課題、レポート、試験により一定以上の成績を修めることで評価されます。科目群(C)の学修成果は、最先端の知にアクセスする能力、自ら課題を発見?設定?解決能力、価値判断?創出する能力、問題解決策提言能力、解決した課題を取りまとめて報告及びセミナー等に発表?議論する能力を、研究指導委員会によって評価します。
- 「環境ガバナンス概論」は、事前学習は授業担当者によるレポート評価、フィールド調査におけるコミュニケーション能力及びグループワークにおける課題解決策提言は課題に関わる地域?企業?行政関係者等によるルーブリック評価に基づく学修成果の到達度から、研究指導委員会が中核リーダーの素地を総合的に評価します。
アドミッション?ポリシー
入学者に求める資質?能力と入学者選抜方法
入学者に求める資質?能力(求める学生像)
本プログラムで目指す人材を養成するために、以下のような資質?能力を有する学生を求めます。
- 理学または農学の学部卒業レベルの基礎学力を有し、既成の学問領域の枠組みを越えた総合的視点に立ち、21世紀の環境?社会変化に対応し、地域環境?社会の発展?再生?活性化を実践する中核リーダーを目指す人
- 理学及び農学の複合的なフィールド科学の視点から、多面的に地球的規模及び地域社会の環境問題の解決に野外調査や観測を通じて実践的に取り組む人
- 先端的?学際的なフィールド科学に関する学習?研究を通じて課題探求力と問題解決能力の習得を目指す人
- 本プログラムに対応する学問分野を専修した学生に限定せず、広く人間科学?社会科学の学部卒業レベルの基礎学力を有し、フィールド科学にかかわる諸問題に積極的に関わっていこうとする人
- 学部卒業レベルの基礎学力及び、フィールド科学分野の諸問題の解決に取り組んだキャリアを有し、地域環境?社会の発展?再生?活性化を実践する中核リーダーを目指す社会人
選抜方法
学士課程卒業レベルの基礎学力、専門分野に対する高度な知識と十分な研究遂行能力、コミュニケーション能力、専門分野に対する明確な動機や意欲のある学生を以下の方法により選抜します。
一般選抜
本選抜では、学士課程で学んだ知識をさらに深め、フィールド科学を生かした地域社会で活躍する中核リーダーを志し、十分な基礎的知識?能力、および高い勉学意欲を有する学生を選抜する。また学部課程で学んだ知識を基礎に、新たな知識を学びこれを有効に活用する手法を修得し、フィールド科学の分野での活躍を目標とする知的好奇心にあふれ強い意志をもつ学生?社会人を選抜する。
英語、専門科目の試験では、フィールド科学分野を学ぶ上で基礎となる事項に関する理解度を評価する。面接?口頭試問では、博士前期課程での研究計画や研究意欲?研究遂行能力について評価する。
社会人特別選抜
本選抜では、学士課程で学んだ知識と社会人としてのキャリアを基礎に、新しい知識を学びこれを積極的に活用する手法を修得し、中核リーダーを目指す専門的職業人としてのキャリアアップや、フィールド科学の新たな分野に進む勉学意欲と自主努力を行う強い意志をもつ社会人を選抜する。
小論文ではこれまでの社会人キャリアに基づく専門性を評価し、面接では博士前期課程での研究計画や研究意欲?研究遂行能力を評価する。
外国人留学生特別選抜
本選抜では、フィールド科学の専門科目に関する試験により、当プログラムの学修に支障ない基礎学力を評価し、面接により日本語あるいは英語による必要最小限のコミュニケーションの能力及び研究意欲?研究遂行能力を評価する。