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理学部の三つのポリシー(フィールド科学人材育成プログラム)
ディプロマ?ポリシー
人材育成目標(卒業生が身に付けるべき資質?能力)
現代社会においては、生態系?環境の保全や極端気象?激甚災害への対策が喫緊の課題となっています。これらの課題の解決には、環境動態学、生態学、災害?防災科学分野における専門的知識、実践的技能、さらにはそれらを駆使して新しい科学的知見?課題解決策を導ける能力が求められます。本プログラムでは、こうした社会の要請に応えるため、理学と農学分野の融合したフィールド科学分野における創造的な科学的知見?問題解決策を導く能力をもち、フィールド科学系の最先端研究、環境?建設コンサルタント、地理?気象情報サービス、林業、水産業などの多方面において貢献できる理系人材を養成します。
本学に当該プログラムの修業年限以上在学し、所定の授業科目及び124単位以上を修得した者で、人材育成目標に係る下記の能力を有すると認められる者に、学士(理学)の学位を授与します。
プログラムの到達目標(目標としての学修成果)
知識?理解
- 幅広く、豊かな教養を身に付けている。
- 自然科学の複数分野の基礎を理解している。
- フィールド科学の学修に有用な基盤的内容について理解している。
- フィールド科学分野の基礎的内容について理解し、説明できる。
- 陸上動植物、森林生態系、水圏生態系の専門的な内容について、理学的な視点と農学的な視点から総合的に理解し、説明できる。
- 気圏、水圏、地圏の動態や自然現象の専門的な内容について、理学的な視点と農学的な視点から総合的に理解し、説明できる。
- 災害現象や防災の専門的な内容について、理学的な視点と農学的な視点から総合的に理解し、説明できる。
- 関連分野の基本的な知識を修得し、論理的に思考することができる。
- グローバル世界における経済、社会、文化について理解を深めている。
当該分野固有の能力
- 基礎的な実習方法を理解し、作業を正確に行うことができる。
- データを解析し、その結果に基づいて科学的な解釈を導くことができる。
- フィールド科学分野の実習を通して、野外調査に不可欠な危機管理能力を身に付けている。
- 演習?実習科目を通して、現場での解決能力、また、フィールドを対象とした調査?解析?観測を遂行できる実践力を身に付けている。
- フィールド科学分野における創造的な科学的知見または問題解決策を導くことができる。
- フィールド科学分野の技術者として、信頼できる倫理観を身に付けている。
- 研究テーマの背景や位置付けを理解した上で当該分野の課題を見出すことができる。
汎用的能力
- 創造性と応用力に富み課題探究のために必要な理論や技術を体系立てるデザイン能力を有している。
- 理学の素養と専門的技能を基に、物事を正確に表現し、コミュニケーションを取ることができる。
- 課題解決を導く上で専門的知識と専門的技能を適切かつ正確に活用できる。
態度?姿勢
- 学問分野区分に制約されることなく、広い視野に立って科学的に物事を理解する姿勢を備えている。
- 知識を得るだけでなく、実際にさまざまな課題を体験し、理解する姿勢を備えている。
- グループの課題やゼミ、グループ運営などに取り組む中で、積極性と協調性を備えている。
- プレゼンテーション能力を身につけ、自分の考えについて他人と議論することができる。
- 主体的かつ根気強く研究活動に取り組むことができる。
カリキュラム?ポリシー
到達目標に達するための教育課程
カリキュラム編成
フィールド科学人材育成プログラムでは、野外調査や観測の様々な場面で必要とされる科学的知識と技術を併せ持ち、国際的にも通用する即戦的で豊かな課題探求能力と課題解決能力を備えた理系人材を育成することを教育目標として、農学部?理学部の両学部で開講されるフィールド科学分野の講義?実習を、農学部?理学部の学生がともに履修する教育システムを設定しています。本プログラムは4年制で、第1学年から第2学年1学期、第2学年2学期から第3学年、および第4学年と、学習内容から大きく3期に分けてカリキュラムを編成しています。本プログラムに分属される学生は、第2学年1学期までは農学部、理学部それぞれの学部における共通科目を履修、第2学年2学期以降は、本プログラムの共通の専門科目を学修、第4学年からは主に卒業論文の研究に取り組みます。
学修内容?方法
第1期は、「主体的な学習への転換、及び教養と自然科学全般の基礎知識の修得」を重視します。
- 大学学習法とアクティブ?ラーニング科目により学習態度の転換を図る。
- 自然系共通専門基礎科目を通して、数学、物理学、化学、生物学、地学の幅広い分野の素養を修得する。
- 理学部共通コア科目(物質科学C、環境気象学、多様性生物学A、岩石?鉱物学入門、環境地質学入門など)では、理学全般の基礎知識とフィールド科学分野の学修に有用な基盤的知識を修得する。
第2期は、「フィールド科学分野の専門的知識の修得及び専門的技術の養成」を重視します。
- 主専攻の必修専門科目では、フィールドワーカーのためのリスクマネジメント実習やフィールド安全論を通して野外調査に必要なリスクマネジメント能力を修得する。
- 主専攻の専門基礎科目(野生植物生態学、樹木学、野生動物生態学、流域環境GIS、生態学、環境砂防学、地形学、系統分類学、環境分析化学)では、フィールド科学分野の基礎知識を修得する。
- 主専攻の専門講義科目(水圏生態学、海洋化学、環境物理学、寒冷地形学、森林環境論、流域環境GIS、雪氷防災学、里地里山再生学など)および専門科目の実習?演習科目(野生動植物生態学実習、GIS?リモートセンシング演習、防災系演習及び実習、海洋フィールド生物学実習、気象解析実習、地形フィールド実習、災害?復興科学演習及び実習など)では、多様なフィールド調査で必要となる高度な専門知識と技術を修得する。
第3期は、4年次での卒業論文を通して「フィールド科学分野における創造的な科学的知見または問題解決策を導く能力の育成」を重視します。
学修成果の評価方法
なお、本プログラムで重要視する学習目標である「フィールド科学分野における創造的な科学的知見または問題解決策を導く能力」やそれに関連する諸能力の達成度は、第3期を通して行う卒業研究において、ルーブリックを用いて直接評価を行います。
アドミッション?ポリシー
入学者に求める学力と入学者選抜方法
入学者に求める学力
- 理論、実験、あるいは野外観察の知識と方法の習得を通じて能動的な学習態度を身につけたい人
- 習得した知識と方法を実践することによってより高度な専門的課題や社会の諸問題に臨機応変に対応し解決できる能力を身につけたいと考える人
- 数学や理科に興味を持つとともに他分野への応用にも関心がある人
- 数理や自然の法則の探求に興味を持って取り組む人
- 理学の各専門分野に意欲的に取り組む人
- 様々な個性や多様な能力を生かして、自らを成長させ、社会に貢献したいと考えている人
- 数学や理科の学習で得た知識に基づいた科学的な思考ができるとともに、主体的な学びの態度を身につけていることが望まれる。
- 入学後の学修のため、数学は下記の科目の内容を履修していることが望まれる。また理科は、下記の科目のうち複数の科目およびその基礎科目の内容を履修していることが望まれる。
数学:数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C
理科:物理、化学、生物、地学
選抜方法
一般選抜(前期日程)
- 高校卒業程度の基礎学力を身につけ、特に数学と理科について十分な基礎学力がある人を選抜する。
- 大学入学共通テストでは、6教科8科目の幅広い基礎学力をはかる。
- 個別学力検査では、多様な能力と意欲をもつ人を受け入れるため、検査項目とその評価の重点の異なる以下の3つの選抜方法を設定し、そのいずれかによって選抜を行う。
→理数重点選抜:数学、理科、外国語の基礎学力、なかでも数学および理科の基礎学力に重点をおいて選抜する。
数学
理科(物理、化学、生物、地学から1科目)
外国語
→理科重点選抜:理科の広い分野の基礎学力と外国語の基礎学力をはかり、選抜する。
物理、化学、生物、地学から2科目
外国語
→野外科学志向選抜:理科や数学の広い分野の基礎学力にくわえ、フィールドワークや野外を対象とする自然科学分野に対する意欲と適性を面接ではかり、選抜する。
数学、物理、化学、生物、地学から2科目
面接
一般選抜(後期日程)
- 高校卒業程度の基礎学力を身につけ、大学での学習意欲の高い人を一括して選抜する。
- 大学入学共通テストでは、6教科8科目の幅広い基礎学力をはかる。
- 面接では、大学での学習意欲や適性、およびコミュニケーション能力をはかる。
総合型選抜
- 高校卒業程度の基礎学力を身につけ、特に数学や理科に関するテーマで主体的な探求の学習成果をもつ人を一括で選抜する。
- 大学入学共通テストでは、5教科7科目の幅広い基礎学力をはかる。
- 本学が実施する試験では、数学や理科をテーマとするプレゼンテーション発表と口頭試問によって主体的な探求の学習成果をはかる。また同時に行う面接によって、各学位プログラムに対する興味や関心、大学での学習意欲や適性、およびコミュニケーション能力をはかる。