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自然科学研究科環境科学専攻自然システム科学コース(博士前期課程)の三つのポリシー
ディプロマ?ポリシー
人材育成目標(修了生が身に付けるべき資質?能力)
環境に関連する諸問題の理解には、もはや特定分野に閉じた知識では対応できず、自然科学の基礎分野に関する広範な学力が必要になります。また、さまざまな環境問題が発生する現実に即応するためには、特定の問題に対応する処理能力よりむしろ幅広い応用力が必要です。
本プログラムでは、自然環境と人間の好ましい共存関係を探求することで、局所的な事象から地球規模の自然現象までを広く考察?理解できる高度な専門的知識や実験?解析技術を備え、さらに自然環境の中で生じているさまざまな問題解決に対して高い倫理観をもって貢献できる技術者、環境行政?技術に携さわる公務員や教員を育成します。
本プログラムで所定の授業科目及び38単位以上を修得した者で、下記の能力を有すると認められる者に、修士(理学)又は修士(学術)の学位を授与します。
プログラムの到達目標(目標としての学修成果)
知識?理解
- 自然科学の複数分野にわたる高度な専門的知識を修得?理解している
- 超高層大気から宇宙空間におよぶ広い対象領域において原子分子反応素過程を詳細に理解している
- 気象および海洋現象に関する高度な物理的化学的解析法を詳細に理解している
- 機能性材料や光エネルギー変換物質の物理化学的特性を理解している
- 環境関連物質やエネルギーの循環機構を理解している
- 地形?地質の発達過程やそれに伴うさまざまな地球科学的諸現象を理解している
- 生物の遺伝的多様性と環境適応機構について理解している
当該分野固有の能力
- グローバルな視点から環境システムの成立および維持機構を多角的に解明できる
- 地球温暖化の影響、地球におけるエネルギー循環過程のメカニズム、生物の環境適応機構を理解し、自然環境の中で生じているさまざまな問題解決に役立てることができる
- 自然環境の中で生じる諸現象を、多角的視点からわかりやすくかつ詳細に説明できる
- 地圏?水圏?生物圏などの自然環境と人間社会との相互関係を理解している
汎用的能力
- 自然?社会?人類に対する倫理的な判断能力
- 基礎理論?技術を理解し、応用する能力
- 理学の素養と高度な専門的技能を基に、物事を正確に表現し、コミュニケーションを取ることができる能力
- 科学と社会との関わりを自然科学の視点から説明する能力
- 従来の思考にとらわれず広く考察?理解する能力
- 自発的に課題を設定し、その的確な解決方法を提案することができる能力
- 定められた期間で自らの意見をまとめて報告する能力
態度?姿勢
- 多様な専門分野の人間と意見を交わし議論する態度を備えている
- 学問分野区分に制約されることなく、広い視野に立って科学的に物事を理解する姿勢を備えている
- 高度な知識の修得にとどまらず、フィールドにおいてさまざまな自然現象や環境問題を体験し、理解する姿勢を備えている
カリキュラム?ポリシー
到達目標に達するための教育課程
カリキュラム編成
本プログラムにおけるカリキュラムは、理学全分野の学力を身につけた上で、さらに自然現象を多角的な視点から論理的かつ総合的に理解するための高度な学力?実験能力?情報処理能力、さらにはコミュニケーション能力を培うことを目的として編成されています。本カリキュラムの遂行により、多様で複雑な自然現象のメカニズムを正確に理解でき、地球規模で生じているさまざまな問題に取り組むことのできる広い応用力?問題解決能力を備えた人材の育成が可能となります。
この目的のもとに導入されている授業科目は「(A)自然?社会?人類に対する倫理的な判断能力を養う目的の科目」、「(B)基礎理論?技術を理解し、応用する能力を修得するための科目」、「(C)課題を発見し、解決する能力を養う科目」、「(D)学会発表を含むコミュニケーション能力を向上させるための科目」、「(E)課題を定められた期間で報告する能力を養うための科目」の五つの科目群に分類されます。
本プログラムの専門科目の多くは(B)の科目群に含まれますが、その中でもさらに、「(B-1)自然環境に関わる諸問題に関し、原子?分子やエネルギーなど物理的?化学的に本質的なレベルの理解を可能とすること」を目的とした科目群と、「(B-2)自然環境の形成メカニズムと変動の歴史、その自然環境に生息する生物の、細胞レベルから集団レベルに至る生物の多様性や進化、環境適応機構の理解」を目的とした科目群に分類されます。さらに他のプログラムの専門科目または他専攻の専門科目を本プログラムの専門科目として認定可能とするシステムを導入し、専門を超えた学際性、融合性の維持も図っています。
学修内容?方法、学修成果の評価方法
本プログラムは基本2年間のプログラムですが、期間全体にわたって行われるリサーチワーク「環境科学特定研究Ⅰ」や、理学に関する最先端研究に触れる「自然環境科学」を除き、どの科目群のどの科目を主に履修するのかによっておおむね3期間に分類できます。どの科目を履修すると、プログラムの到達目標であげたどの知識?能力?態度?姿勢が修得できるかについては、コースツリーに番号で示しています。
- 第1期(第1セメスター)では、リサーチワークの中でも文献?実験あるいは実地調査によって課題を探求し、それらを発表するのに必要なコミュニケーション能力を養う「環境科学セミナーI」や、上記(B-1、B-2)の科目群に該当する本プログラム内の専門科目の履修が中心となるが、専門科目以外の(A)の科目群に含まれる「自然科学総論」の他、他専攻科目や課題共通科目、キャリア意識形成に関する科目である「企業における生産?開発Ⅰ」を履修することで、自身の専門性にとどまらない幅広い考え方や知識、地域独特の諸問題にも目を向ける姿勢を養うと同時に、高度職業人としての倫理観を涵養します。これらの科目では、パフォーマンス評価により論理的思考力が獲得できているか否かの評価を行うだけでなく、レポートやプレゼンテーションを通じて表現力も含めた学修成果の評価を行います。
- 第2期(第2セメスター)では、第1期(B-1、B-2)の専門科目の履修はもちろん、研究を実施するために必要な調査方法、実験?計測方法、解析方法等を身に付けると共に、研究結果について適切に表現できる能力を養うことを目的とした「環境科学総合演習Ⅰ」や「研究発表演習Ⅰ(中間発表)(学外発表)」を履修することになります。学修成果の評価は、パフォーマンス評価により論理的思考力の獲得状況を評価するだけでなく、学内外におけるプレゼンテーションを通じて成果を取りまとめる能力の評価を行います。
- 第3期(第3セメスター以降)では、リサーチワークが中心となります。研究課題を進める上で必要となる、より一層高度知識や技能を演習や実習を通じて実践的に修得する「環境科学特定演習Ⅰ」や「研究発表演習Ⅰ(学外発表)」を履修した上で、最終的に研究結果を取りまとめて修士論文をの作成することになります。学修成果の評価は、修士論文の内容、主査?副査による口頭試問、プレゼンテーションにより行います。
アドミッション?ポリシー
入学者に求める資質?能力と入学者選抜方法
入学者に求める資質?能力(求める学生像)
本プログラムで目指す人材を養成するために、以下のような資質?能力を有する学生を求めます。
- 環境にかかわる問題に積極的に関わっていこうとする人物であること。
- 十分な英語力(科学?技術情報の収集?解析?発信のための基礎的スキル)を有すること。
- 博士後期課程に進学して更なる研究能力を身に付けて先端基礎分野で活躍しようと専門学問分野に深い関心を持つ人物であること。
- 自然現象を理解するために必要となる、理学4分野(物理学、化学、生物学、地学)の多角的な知識を身に付けていること。特に、物質科学、環境生物学、地球科学などについての専門的な学力を身に付けていること。
- 地球上の地圏、気圏、水圏での物質の反応現象や動態、エネルギーサイクルを理解し、その環境に生息する生物の多様性や適応進化などのメカニズムを理解していること。
選抜方法
学士課程卒業レベルの基礎学力、専門分野に対する高度な知識と十分な研究遂行能力、コミュニケーション能力、専門分野に対する明確な動機や意欲のある学生を以下の方法により選抜します。
一般選抜
本選抜では、筆記試験において、科学?技術情報の収集?解析?発信のために必要となる英語力、自然現象を多角的視点から解明するために必要となる理学の専門科目(最低でも理学の複数分野にまたがる科目を受験する必要)を課し、本プログラムで研究を進めていく上での上で基礎となる事項に関する理解度を評価する。また面接?口頭試問では、修士課程での研究計画や研究に対する意欲について評価する。
社会人特別選抜
本選抜では、学士課程で学んだ知識と社会人としてのキャリアを基礎に、新しい知識を学びこれを積極的に活用する手法を修得し、専門的職業人としてのキャリアアップや自然科学?技術の新たな分野に進む勉学意欲と自主努力を行う強い意志をもつ社会人を選抜する。試験は小論文、面接及び出願書類を用い、受験者の適性や学習意欲、研究計画を総合的に評価する。
外国人留学生特別選抜
本選抜では、理学の専門科目に関する筆記試験により本プログラムにおける学修に支障ない基礎学力を有しているか、小論文と面接により、日本語あるいは英語による必要最小限のコミュニケーションの能力と研究遂行能力を評価する。