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自然科学研究科環境科学専攻自然システム科学コース(博士後期課程)の三つのポリシー

ディプロマ?ポリシー

人材育成目標(修了生が身に付けるべき資質?能力)

環境に関連する諸問題の理解には、もはや特定分野に閉じた知識では対応できず、自然科学の基礎分野に関する広範な学力が必要になります。また、さまざまな環境問題が発生する現実に即応するためには、特定の問題に対応する処理能力よりむしろ幅広い応用力が必要です。
本プログラムでは、先端的な教育研究を通じて自然環境と人間の好ましい共存関係を探求することで、局所的な事象から地球規模の自然現象までを広く考察?理解できる高度な専門的知識を備え、さらに自然環境の中で生じているさまざまな問題解決に対して高い課題探求力と問題解決力を兼ね備え、学術上の優れた成果を得ることのできる研究者を養成します。

本プログラムで所定の授業科目及び19単位以上を修得した者で、下記の能力を有すると認められる者に、博士(理学)又は博士(学術)の学位を授与します。

プログラムの到達目標(目標としての学修成果)

知識?理解

  • 自然科学の複数分野にわたる高度な専門的知識を修得している
  • 超高層大気から宇宙空間におよぶ広い対象領域において原子分子反応素過程を詳細に理解している
  • 気象および海洋現象に関する高度な物理的化学的解析法を詳細に理解している
  • 機能性材料や光エネルギー変換物質の物理化学的特性を詳細に理解している
  • 環境関連物質やエネルギーの循環機構を理解している
  • 地形?地質の発達過程やそれに伴うさまざまな地球科学的諸現象を理解している
  • 生物の進化?多様性と環境適応機構について詳細に理解している

当該分野固有の能力

  • グローバルな視点から環境システムの成立および維持機構を多角的に解明できる
  • 地球温暖化の影響、地球におけるエネルギー循環過程のメカニズム、生物の多様性や環境適応機構を理解し、自然環境の中で生じているさまざまな問題解決に役立つ研究が行える
  • 自然環境の中で生じる諸現象を、多角的視点からわかりやすくかつ詳細に説明できる
  • 地圏?水圏?生物圏などの自然環境と人間社会との相互関係を理解できる

汎用的能力

  • 自然?社会?人類に対する倫理的な判断能力
  • 関連分野の知見や視点を加えた総合的?学際的な分析能力
  • 基礎理論?技術を理解し、応用する高い能力
  • 従来の思考にとらわれず広く考察?理解する能力
  • 自発的に課題を設定し、その的確な解決方法を提案することができる高い能力
  • 国際会議等における発表能力
  • 学術雑誌への論文執筆能力
  • 自身の研究成果を広く公表すると同時に成果を社会に還元できる能力

態度?姿勢

  • 多様な専門分野の人と意見を交わし、自身の研究を発展させる態度を備えている
  • 学問分野区分に制約されることなく、広い視野に立って科学的に物事を理解する姿勢を備えている
  • 高度な専門的知識の修得にとどまらず、フィールドにおいてさまざまな自然現象や環境問題を実体験し、理解する姿勢を備えている

カリキュラム?ポリシー

到達目標に達するための教育課程

カリキュラム編成

本プログラムにおけるカリキュラムは、自然現象を理学の多角的な視点から論理的かつ総合的に理解するための高度な学力?実験能力?情報処理能力、関連分野の知見や視点を加えた総合的?学際的な分析能力さらにはコミュニケーション能力を培うことを目的として編成されています。
本カリキュラムの遂行により、多様で複雑な自然現象のメカニズムを詳細に理解でき、地球規模で生じているさまざまな問題に取り組むことのできる広い応用力?高い問題解決能力を備えた研究者の育成が可能となります。
この目的のもとに導入されている授業科目は「(A)自然?社会?人類に対する広い視野をもち、責任を自覚する能力を養うための科目」、「(B)問題発見能力と問題解決能力を養うための科目」、「(C)コミュニケーション能力を養う科目」、「(D)国際会議等における発表能力を向上させるための科目」、「(E)学術雑誌への論文執筆能力を向上させるための科目」の五つの科目群に分類されます。本プログラムの専門科目のほとんどは(B)の科目群に含まれますが、その中でもさらに、「自然環境に関わる諸問題に関し、原子?分子やエネルギーなど物理的?化学的に本質的なレベルの理解を可能とすること」を目的とした科目と、「自然環境の形成メカニズムと変動の歴史、その自然環境に生息する生物の、細胞レベルから集団レベルに至る生物の多様性や進化、環境適応機構の理解」を目的とした科目に分類されます。
さらに他のプログラムの専門科目または他専攻の専門科目を本プログラムの専門科目として認定可能とするシステムを導入し、専門を超えた学際性、融合性の維持も図っています。

学修内容?方法、学修成果の評価方法

同プログラムは基本3年間のプログラムですが、どの科目群のどの科目を主に履修するのかによっておおむね3期間に分類できます。どの科目を履修すると、プログラムの到達目標であげたどの知識?能力?態度?姿勢が修得できるかについては、コースツリーに番号で示しています。

  • 第1期(第1、第2セメスター)では、本プログラムの専門科目だけでなく、学際的視点を養うことを目的に他のプログラムの専門科目を履修します。さらに自身の研究内容やそれに関連した事項についての知識や理解を深めることを目的とした「環境科学演習」を第2セメスターに履修します。これらの科目では、プレゼンテーションを通じた学修成果の評価を行います。
  • 第2期(第3、第4セメスター)では、本プログラムの専門科目の履修はもちろん、上記(E)の科目群に含まれる「ISI誌投稿特別演習」の履修や、単位化されてはいませんが、研究の進捗状況をチェックする「中間報告」も盛り込まれています。学修成果の評価は、論文の執筆、学内外におけるプレゼンテーションを通じて行います。
  • 第3期(第5セメスター以降)では、第1から第3期をの期間全体にわたって行われるリサーチワークと、研究テーマや研究分野に関連する高度な理論、研究動向を学ぶと同時に、当該研究を効率的に行うための研究計画を立案することを目的とした「環境科学特定研究」が中心となります。この期間の後半では、リサーチワークにより得られた研究成果を取りまとめて論文として報告するだけでなく、最終的に博士論文論文を作成して公聴会を行います。学修成果の評価は、論文の内容、主査?副査による口頭試問、プレゼンターションにより行います。

アドミッション?ポリシー

入学者に求める資質?能力と入学者選抜方法

入学者に求める資質?能力(求める学生像)

本プログラムで目指す人材を養成するために以下のような資質?能力を有する学生を求めます。

  • 環境にかかわる問題に積極的に関わっていこうとする人物であること。
  • 十分な英語力(科学?技術情報の収集?解析?発信のための基礎的スキル)を有すること。
  • 後期課程に進学して更なる研究能力を身に付けて先端基礎分野で活躍しようと専門学問分野に深い関心を持つ人物であること。
  • 自然現象を理解するために必要となる、理学4分野(物理学、化学、生物学、地学)の多角的な知識を身に付けていること。特に、物質科学、環境生物学、地球科学などについての専門的な学力を身に付けていること。
  • 地球上の地圏、気圏、水圏での物質の反応現象や動態、エネルギーサイクルを理解し、その環境に生息する生物の多様性や適応進化などのメカニズムを理解していること。

 

選抜方法

博士前期課程修了レベルの基礎学力、専門分野に対する高度な知識と十分な研究遂行能力、コミュニケーション能力、専門分野に対する明確な動機や意欲をみるため、以下の方法により選抜します。

一般選抜

本選抜では、博士前期課程で修得した知識と探求能力を更に発展させ、自然科学の分野で研究者として活躍することを目標とする知的好奇心にあふれ、十分な専門的知識?能力、および強い意志をもつ学生や、自然科学を生かした専門的職業人を目指す高い勉学意欲を有する学生?社会人を選抜する。
選抜には口述試験を課し、修士学位論文(又は研究経過報告書)および研究計画書の妥当性や、研究意欲?適正を評価する。

社会人特別選抜

本選抜では、博士前期課程で学んだ知識と社会人としてのキャリアを基礎に、新しい知識を学びこれを積極的に活用する手法を修得し、専門的職業人としてのキャリアアップや自然科学?技術の新たな分野に進む勉学意欲と自主努力を行う強い意志をもつ社会人を選抜する。
選抜には口述試験を科し、修士学位論文(又は研究経過報告書)および研究計画書の妥当性や、研究意欲?適正を評価する。

外国人留学生特別選抜

本選抜では、理学の専門科目に関する筆記試験により本プログラムにおける学修に支障ない基礎学力(本プログラムの博士前期(修士)課程修了以上の資格あるいはこれと同等以上の能力)を有しているか、小論文と面接により、日本語あるいは英語による必要最小限のコミュニケーション能力と研究遂行能力を評価する。