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平成27年度卒業式 学長告辞

学長メッセージ

本日ここに,学部卒業生2,309名,大学院修了生688名,学位論文提出者3名,養護教諭特別別科修了生38名,計3,038名の皆さんに学位記ならびに修了証書を授与いたしました。

卒業生?修了生の皆さんは,本学で充実した学生生活を過ごし,本日,めでたく,卒業ならびに修了の日を迎えました。学長として,新潟大学を代表し,心 からお祝いを申し上げます。同時に,これまでの長きにわたり,卒業生?修了生を支えてこられた,ご家族?保護者の皆様にも,心からお祝いを申し上げます。 また,ご多忙のなか,本日の卒業式にご臨席賜りました多数の方々に,心から御礼を申し上げます。

本日ここに,平成27年度新潟大学卒業式を盛大に挙行できますことは,ここに列席の本学,役員,副学長,部局長をはじめとする全教職員,並びに各同窓会にとりましても大きな喜びであります。

卒業生?修了生の皆さんは在学中に様々な経験を経て,今日の日を迎えたと思います。学問一筋に切磋琢磨してきた人,部活やボランティア活動等で活躍し た人,社会人として仕事と勉学とを両立させてきた人,さらには,言葉や生活習慣の違いに苦労しながらがんばった留学生,その他にも様々な経験を経て,今日 の日を迎えたと思います。
大規模総合大学である新潟大学は,一つのキャンパスの中で,その様なさまざまの立場と,多様な目的を持った学生達が交流することができる大学です。その経験が大きな財産であり,その貴重な財産をもって,皆さんは社会に旅立つ日を迎えました。

本学に入学した日から今日の日を迎えるまでの日々を振り返り,自分自身が多くの困難を乗り越えながら,どのように成長してきたかを,じっくり思い起こ してください。今,卒業生ならびに修了生の皆さんは,大きなことをやり遂げた充実感に満ち,晴れがましい気持ちと,新たな旅立ちへの希望の中で,感無量の ことと思います。
そのような中で,これまで皆さんを育て,支え続けてくれた,ご家族をはじめとする,周りの方々のことを思い,感謝の気持ちを素直に伝えてください。本 日,卒業式という日を無事迎えることができたのは,決して皆さん個人だけの努力の結果だけではないということを,今一度胸に刻んでください。

さて,わが国は5年前に,東日本大震災と原発事故という未曽有の災害を経験し,その復興も未だ途上という状況です。加えて,世界を見渡すと,大地震? 津波、火山の噴火,豪雨?豪雪,大洪水,土砂崩れ等の自然災害,政治,経済,エネルギー,食糧,環境等の諸問題,さらに世界規模の感染症,許しがたいテロ 等々,多くの課題が存在します。これらは人類全体の生存と尊厳を揺るがし,世界的な経済不安を招き,国家間の多発的な紛争の要因となっています。
一方では,科学技術?医療?教育等,幅広い分野において,グローバル化が飛躍的に進展しています。また,グローバル化は,社会における多様な要素を複雑に絡み合わせ,予測が困難な展開を生み出しています。

このような時代にあって,本日卒業する皆さんには,未来を背負って立つ「次世代の力」になる責務があります。そのため,卒業後に皆さんが活躍する様々 な分野での「グローバル化」に対応してください。皆さんは,これまでの教育?研究の課程において,グローバルな視点で成長してきましたが,卒業後も「グ ローバル化」を意識し,自己研鑚に励み,成長し続けてください。
このことは,直ちに国際的に活躍してくださいという意味ではありません。皆さんの将来への夢や希望も含めて,自らのグローバルな視点を育ててほしいと いうことです。仮に,ローカルな分野であっても,常に世界を意識し,グローバルな座標軸の中で考えながら行動してください。そのことが,目の前にある仕事 にも繋がり,新しい展開も開けると思います。
さらに,急激な技術の発展,市場の急激な変化にも常に対応可能であるように,課題発見能力とその解決能力などの汎用的能力の修得,幅広い教養の蓄積にも,努力を続けてください。
誰にも将来に対する不安はあると思います。しかし,皆さんが,新潟大学での学生生活を通じて獲得した“広い視野”と“深い教養”と“高い専門性”は, 必ずや,皆さんを支えてくれるはずです。どうぞ,自分の描いた夢の実現を目指し,決して諦めることなく,自信と情熱をもって行動してください。新潟大学で の学生生活で培われたすべてが,これからの人生を豊かで,活力あるものにしてくれると確信しています。

さて,これからの皆さんの人生において活躍するにつけて,総合大学である新潟大学が,何らかの形で役立つことがあるかもしれません。壁にぶつかった時は,皆さんの母校である新潟大学に,気軽に相談に来てください。新潟大学はいつまでも皆さんのサポーターです。
一方で,これからの皆さんは本学の同窓会員でもあります。本学の同窓生として新潟大学を応援していただきたいと思います。そして,これからの皆さんの活躍が何物にも代えがたい新潟大学への応援であることを是非,心に留めて頂きたいと思います。

最後に,卒業生,修了生の皆さんが,自信と誇りをもって社会に大きく羽ばたき,その前途が幸多いものになるよう,心より祈念して,私のお祝いの言葉とさせていただきます。

 

平成28年3月23日
新潟大学長 髙橋 姿