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平成26年度入学式 学長告辞

学長メッセージ

本日ここに,ご来賓ならびに関係各位のご臨席を賜り,平成26年度新潟大学入学式を盛大に挙行できますことは,私ども新潟大学教職員一同の大きな喜びであります。
この度,入学を認められましたのは,外国からの留学生54人を含め,学士課程では2,482人,大学院修士課程では610人,大学院博士課程では162人,大学院専門職学位課程では14人,養護教諭特別別科では45人,総計3,313人であります。

新入生の皆さん,入学まことにおめでとうございます。
大きな夢と希望を胸に新潟大学に入学された新入生の皆さんを,私たち教職員一同は,心より歓迎し,お祝いを申し上げます。
また,これまで新入生の皆さんを温かく見守り,支援をして来られたご家族?保護者の方々に心からお祝い申し上げますとともに,本日,ご参列をいただきました多くの方々に感謝申し上げます。

新入生の皆さんは,これまで,長年にわたって学業に励まれ,その努力が実を結び,本学に入学されました。これからは人生の新たなページを開くときであり,喜びでいっぱいと思います。どうぞ,この気持ちを,いつまでも忘れないでいて下さい。

新潟大学は今から遡ること約140年前に,前身となる学校が開設されましたが,その後,昭和24年,1949年に新制国立大学として発足しました。その後,長い歴史と豊かな伝統を育み,現在は,九つの学部,五つの大学院研究科,二つの専門職大学院のほか,脳研究所,災害?復興科学 研究所,ならびに医歯学総合病院を有し,学生数約13,000人,教職員数約2,900人を擁する全国有数の大規模総合大学に発展してきました。
本学は,豊かな自然に満ちた越後平野に囲まれ,本州日本海側で唯一の政令都市である新潟市に立地し,学問や研究に適した恵まれた環境の中で,国内や東アジアにおける学術の拠点の一つとして,その役割を果たしてきました。

本学は,「自律と創生」を全学の理念とし,教育と研究を通じて地域や世界の発展に貢献することを大学の目的としています。本学が重視している教育の基本は,専門を深く極めることはもちろんですが,広い視野をもち,ものごとを総合的に判断し,解決する力を学生に身につけてもらうことです。このために,本学の全教職員は一体となって,入学した学生一人一人に丁寧な教育を行うよう日々努力を重ねています。

さて,近年の社会では,いわゆる「グローバル人材」の必要性が以前にも増して叫ばれています。背景には,国際交流の活発化,経済活動のグローバル化,それに伴う人々の意識のボーダレス化などがあります。それにより,社会経済構造は大きく変化し,国境を越えて高度で複雑に絡み合う様々な課題が生まれているためです。
このように変化する社会に対応するため,新潟大学では,文部科学省の支援も得ながら,世界と地域を結ぶことのできる,「グローバル人材」の育成に取り組んでいます。即ち,高い専門性と広い教養,さらに,高度な語学力と異文化適応力を身につけ,地域社会から国際社会まで貢献できる人材,真の国際人を育成するという使命を,これまで以上に果たしていこうと決意しています。新入生の皆さんには,自ら積極的に学び,自己を創るという姿勢で,本学のグローバル人材育成プログラムに参加してください。
これから皆さんが経験する大学生という時代は,人生で最も活力と希望にあふれ,多くの可能性が芽生える,何ものにも代え難い期間です。是非,広い世界に目を向け,物事を広くとらえ,主体的に学ぶ姿勢によって,多くのことを獲得してください。

また,学問ばかりでなく,クラブ活動やボランティアなどの課外活動にも積極的に参加し,協調性やリーダーシップを身につけ,同時に多くの友人を得てください。本学には,海外からの留学生約500人を含めて,国内外から集まった多くの学生達が学んでいます。大学時代に形成した友情は,一生涯の財産となり,皆さんの人生をさらに豊かなものにしてくれることは間違いありません。
同時に,「我が師」となる先輩,先生も見つけてほしいと願っています。

今年は,ソチ?冬季オリンピック?パラリンピックという大きなイベントがあり,多くの人々が日本の成績に一喜一憂しました。事前に2020年の東京オリンピック?パラリンピックの開催が決定したことも,この大会を盛り上げました。その結果が,長野オリンピックに次ぐ8個のメダル獲得につながったと思われます。印象に残ったのは,若手からベテランまでの幅広い年齢層の選手たちの活躍でした。
その中で,日本が獲得した8つのメダルの内,新潟県から選出された選手が3つのメダルを獲得したことが強く印象に残りました。
また,本学からは人文学部出身の星野純子選手はオリンピック?モーグルスキー競技に出場しました。ソチ?オリンピックでは良い結果が得られませんでしたが,その後のワールドカップでは6位,3位と活躍しています。4年後の冬季オリンピックの活躍が今から期待されます。また,本学工学部出身の出来島桃子選手はパラリンピック?バイアスロン?クロスカントリー競技の6種目に出場し,見事4種目で入賞を果たしました。
この様に,オリンピックに出場して華々しく活躍する選手にも,無名の選手時代があります。日頃の弛まぬ切磋琢磨,精進努力を継続して,小さな舞台から徐々に大きな晴れ舞台へと昇り,最終的に大きな栄光を獲得していることは言うまでもありません。
新入生の皆さんには,これから新潟大学で学ぶ間,卒業後に出航する社会という大海原を見据えて,将来大きく飛躍するための周到な準備をお願いしたいと思います。将来,皆さんが,本学を卒業したことで自信とプライドを持って卒業後の生涯を送れるよう,在学中に広い視野,深い教養と高度な専門性を獲得していただきたいと思います。そのために,われわれ教職員は,皆さんのために援助を惜しみません。

我が国では,今なお,東日本大震災からの復興の課題に直面していますが,次代を担う皆さんにこそ,社会から大きな期待が寄せられています。大学でしっかり学ぶことによって,どのような側面から社会に貢献できるのか目標を探しつつ,それぞれの分野で学識と技術を培っていただきたいと思います。我が国の,そして世界の未来が,皆さんの双肩に掛かっていることを自覚し,それに応えてほしいと切に願っています。

最後に,新入生の皆さんが健康に留意しつつ,実り豊かで,活発な大学生活を過ごし,大きく成長されることを祈念し,私の告辞といたします。

平成26年4月7日
新潟大学長 髙橋 姿