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平成22年度前期 1 声の魅力をさぐる

公開講座

現代社会文化研究科公開講座

講座の概要

人間の声とは,いったい何でしょう。うたう声,かたる声,ささやく声,行間から立ち上ってくる声。あるいは,選挙カーからがなりたてられる耳障りな声,録音された自分の声をきいたときの,あのぞっとするような思い??????。この講座では,私たち一人一人にとってきわめて身近で切実なものでありながら,これまで学問の対象として取り上げられることは稀であった「人間の声」の魅力について,音楽,芸能,文学などの視点から多面的に考えてみます。単に講義をきくだけではなく,音楽を聴いたり,講師陣の「実演」に接していただく機会も取り入れる予定です。

講座の内容

日程 講義題目 講義内容 講師
4月14日(水)17時45分~18時まで開講式を行います。
4月14日(水)
18時~19時30分
導入:声の文化論 20世紀のある思想家は「声に対する関係はすべて必ず愛の関係になってしまう」と言いました。昨今の「オレオレ詐欺」に典型的にあらわれているように,「声」は「私」と「他者」をのっぴきならない関係に巻き込んでしまう力をもっています。導入講義では,「うた」を聴く経験を手がかりに,「声」と私たちの主体性の関係について考えてみます。 人文学部
准教授
番場 俊
4月21日(水)
18時~19時30分
賛美歌:神をたたえる声 人が「神」に向けて発する声には古くからさまざまな意味合いがありました。この講義ではキリスト教音楽を例に,中世のラテン語聖歌や宗教改革時代のドイツ?コラール,ジュネーヴ詩編歌,さらに日本の隠れキリシタンたちによって唱えられたオラショなど聴きながら,それらの「声」に込められた思いを探ります。 教育学部
教授
横坂 康彦
4月28日(水)
18時~19時30分
平家物語:伝承される声 『徒然草』によれば,平家物語を語る琵琶法師たちは,始祖?生仏(しょうぶつ)の「声」を学んだとのことです。『平家物語』を,声と琵琶で伝承するのが平曲(平家琵琶)。現存平曲の曲節の中で「声」を名称にするものに着目して平家音楽の基本とは何か,「歴史」を伝える「声」とは何か,というようなことを考えてみたいと思います。 人文学部
教授
鈴木 孝庸
5月12日(水)
18時~19時30分
小説:演技する声 識字能力を持たない人々にも鑑賞できる文学として詩や演劇があるのに対し,小説は,教養と余暇と経済力を持つ人々(つまり有産階級)のものでした。ところが19世紀のイギリスには,読者の行為である「読む」という作業を,わざわざ自分の肉声と身振りつきで実演したいという作家が登場します。彼のこの行為の意味を,時代背景から考察します。 人文学部
准教授
金山 亮太
5月19日(水)
18時~19時30分
文芸批評:語る私の声 文章を読んで,そこから著者の声が聞こえてきたという経験をした事のある人はどれくらいいるのでしょうか。こういう声は,小説よりも随筆や評論などのほうがよく聞こえてくるようです。そのとき経験する,言葉が生きているという実感や,著者とじかに語り合っているような喜びについて語ってみたいと思います。 人文学部
教授
佐々木 充
5月19日(水)19時30分~19時45分まで閉講式を行います。