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クロアチア?スプリット大学と大学間協定を結びました
下條学長がクロアチアを訪れ,同国スプリット大学と大学間協定を結びました
平成21年3月25日に,下條学長をはじめとする新潟大学関係者(仙石理事,永山副学長,丸井災害復興科学センター教授他)がクロアチア?スプリット大学を訪問し,大学間協定を締結しました。 これは,丸井教授が進める研究プロジェクトから発展していったもので,災害研究を含めた両国の学術の発展が期待されています。
◎ クロアチア?スプリット大学は,アドリア海に面し世界遺産に認定されている古都スプリットにあり,首都のザグレブ大学に次ぐ同国第二の規模の大学です。同 大学は神学,法学,経済学などの人文社会系の学部に加え,土木建築,化学,薬学などの自然科学系の学部を有し,12の学部?部局に1万5千人を数える学生 が所属しています。
大学間協定締結の理由と学長が現地に赴いた趣旨
今回の企画のはじまりとなった共同研究プロジェクトは、丸井教授らの提案が、科学技術振興機構(JST)と国際協力機構(JICA)が連携?協力して実施する「地球規模課題対応国際科学技術協力事業」において採択されたことからスタートします。
このプログラムは日本の科学技術外交の目玉として平成20年度に新たに設立されたものです。
このプロジェクトの実施の条件として、JICAと当該国(クロアチア)の担当政府機関との間で覚書を交わすことと同時に、実際に研究を実施する両国の代表機関の間においても協定が締結されることが前提となっています。
本学のプロジェクトは、今回採択された案件の中で唯一ヨーロッパ地域を対象としたものであり、現地の日本大使館からも多大なご支援を受けました。加え て、新潟大学とスプリット大学間の学術交流協定の締結に際しては、本学下條学長が現地に赴いて署名されることを大使からも期待されておりました。
今回、下條学長は、相手方の代表研究機関であるスプリット大学において直接、協定書に署名し、さらにJICAとクロアチア科学教育省との覚書締結式にも 参加されました。この締結式は、クロアチア科学教育大臣並びに日本大使の列席の下に、盛大に行われ現地のメディアでも大きく取り上げられました。このよう に,国内外に対して本学がこのプロジェクトに真摯に取り組む姿勢をアピールすることができました。
大学間協定の果たす役割と見込まれる成果
今回の協定締結は、直接的には本共同研究プロジェクトを実施することを目的としています。
本協定に基づき、両大学は今後5年間に渡って、それぞれの国において共同研究を推進していくことになります。
本学の教員、研究者が専門家としてクロアチアに赴き調査?研究を実施すると共に、スプリット大学の教員、研究者も本学に滞在し研究交流を行うこととなり ます。また、JSTやJICAの制度を活用した大学院生の相互受入も想定されています。本共同研究の進展に伴って、両大学間で多様な学術交流並びに研究交 流が推進していくことが期待されています。
なお、本共同研究を端緒として、様々な分野で広範な学術交流が進展することが望まれます。
研究プロジェクトチームの今後の展開
今回の協定締結により、本共同研究実施のための基礎が固まりました。
まず、7月を目途に専門家としてクロアチアに赴き、最初の現地調査を3週間程度実施する予定です。少なくも今年度内に3回程度の現地調査の実施を予定しております。
また、12月頃にはスプリット大学からの教員?研究者の本学への招聘を予定しています。
新潟大学プロジェクトリーダー 丸井英明(災害復興科学センター教授)
参考:事業のはじまりとなった共同研究プロジェクトとは (経緯)
JST共同研究プロジェクトについて
本共同研究は、クロアチアの社会的価値の高い地域や開発地域を対象として、土砂災害並びに洪水災害を軽減するための土地利用基本計画ガイドライン を作成し、同国の発展の鍵となる持続可能な国土開発に貢献することを目的としています。 クロアチアの国土はアドリア海に面しており、風光明媚で豊かな自然景観に恵まれていますが、断層?褶曲地帯に位置し、複雑な地形?地質構造を有してお り、地震が多発するところでもあります。 そのため、国土の広い範囲で地すべりなどの土砂災害や山地型洪水が多発しています。そこで、防災分野で世界をリードする日本の科学技術を伝達し、日本と クロアチアの研究者が協力して総合的?学際的研究を実施することにより、現地の地盤構造や水文特性の解明に立脚した、信頼しうる災害危険度評価法を確立す ることができ、その成果を同国の土砂?洪水災害の軽減に活かします。 本事業の成果は、クロアチア一国内に留まることなく、近隣の中部ヨーロッパ諸国全域の災害軽減に役立ちうるものと考えられます。