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新潟大学の研究力

論文データで見る注目研究

多くの学術分野において、研究によって得られた成果は、学術雑誌に原著論文の形で公表されています。ここでは、Clarivate Analytics社のWeb of Scienceという書誌データベースに収録された原著論文のうち、新潟大学に所属する研究者が出版した論文数と、それぞれの分野において、世界的に特に高い評価を受けている論文を紹介します。

1.新潟大学の総論文数

新潟大学に所属する研究者が著者であり、直近5年間で発表した論文(Article?review)の総数について、年ごとの状況を示しました。

 

Filter Summary:
Dataset: InCites Dataset + ESCI
Schema:? Web of Science
Domestic/International Collaboration:? All
Time Period:? [2018, 2022]
Include Early Access documents:? true
Document Type:? [Article, Review]
Organization Name:? [Niigata University]

2.高被引用論文(Top1%)の紹介

原著論文が世界的に高い評価を受けているかどうかを測る方法には、様々なものがあります。その一つとして、「優れた論文であれば、後続の論文にも引用されるだろう = 被引用数が高くなる」という考え方に基づき、各年?分野別に集合を設定し、被引用回数の多い順に順位付けを行い、集合の上位何パーセントに位置するのかを測る方法があります。

ここでは、直近5年間に出版され、Web of Scienceで設定した22の研究分野(ESI分野)ごとに被引用回数が上位1パーセントまでに位置し、世界的に注目されている論文のうち、新潟大学の研究者が責任著者(代表者)である論文を紹介します。

Dentistry, Oral Surgery & Medicine分野

都野 隆博 特任助教、高橋 直紀 准教授
大学院医歯学総合研究科(歯)摂食環境制御学講座 歯周診断?再建学分野、医歯学総合病院高度医療開発センター
研究室WEBサイト

Ingestion of Porphyromonas gingivalis exacerbates colitis via intestinal epithelial barrier disruption in mice

JOURNAL OF PERIODONTAL RESEARCH
Year2021 Vol.56 Issue2 Pages 275-288
DOI: https://doi.org/10.1111/jre.12816

歯周炎が全身性に悪影響をおよぼすことが知られていますが、嚥下された口腔内の歯周病原細菌が腸炎のような腸管局所の疾患にどのような影響をおよぼすかは不明です。私たちは、歯周炎を引き起こす主要な細菌であるPorphyromonas gingivalis P. gingivalis)が実験的腸炎モデルマウスの腸炎を重症化させることを明らかにし、そのメカニズムとしてP. gingivalisの産生するジンジパインが腸管上皮バリア機能の破綻に関与することを初めて報告しました。

筆頭著者:Takahiro Tsuzuno [1]?
責任著者 : Takahashi, Naoki [1], Yamazaki, Kazuhisa [2]
責任著者所属 :
[1] Niigata Univ, Fac Dent, Dept Oral Biol Sci, Div Periodontol, [2] Niigata Univ, Grad Sch Med & Dent Sci, Div Oral Sci Hlth Promot, Res Unit Oral Syst Connect
著者 : Takahiro Tsuzuno, Naoki Takahashi, Miki Yamada-Hara, Mai Yokoji-Takeuchi, Benso Sulijaya, Yukari Aoki-Nonaka, Aoi Matsugishi, Kyoko Katakura, Koichi Tabeta, Kazuhisa Yamazaki

Science & Technology – Other Topics分野

山口 真奈子 特任助教、吉原 弘祐 教授
医歯学病院周産期母子医療センター大学院医歯学総合研究科(医)分子細胞医学専攻遺伝子制御大講座 生殖器官制御学、分子細胞医学専攻細胞機能大講座 生殖医学病態解析
研究室WEBサイト

Three-dimensional understanding of the morphological complexity of the human uterine endometrium

iScience
Year2021 Vol.24 Issue4 Pages 102258
DOI: 10.1016/j.isci.2021.102258

子宮内膜は受精卵の着床に必須である一方で、子宮内膜症や子宮体癌の発生母地でもあります。私たちは組織透明化技術を用いてヒトの子宮内膜の三次元構造を観察することに成功し、長年一本一本が独立していると考えられてきたヒト子宮内膜の腺管が基底層で網目状構造(地下茎)を形成していることを発見しました。ヒト子宮内膜腺管の正確な三次元構造の理解は、月経や着床のメカニズム、子宮内膜症や子宮体癌の病態解明につながる重要な知見です。

筆頭著者 : Yamaguchi Manako [1]
責任著者 : Yoshihara, Kosuke [1],Tainaka, Kazuki [2][3]
責任著者所属 :[1] Niigata Univ, Dept Obstet & Gynecol, Grad Sch Med & Dent Sci, [2] Niigata Univ, Brain Res Inst, Dept Syst Pathol Neurol Disorders, [3] RIKEN Ctr Biosyst Dynam Res, Lab Synthet Biol, Suita
著者 :Manako Yamaguchi, Kosuke Yoshihara, Kazuaki Suda, Hirofumi Nakaoka, Nozomi Yachida, Haruka Ueda, Kentaro Sugino, Yutaro Mori, Kaoru Yamawaki, Ryo Tamura, Tatsuya Ishiguro, Teiichi Motoyama, Yu Watanabe, Shujiro Okuda, Kazuki Tainaka, Takayuki Enomoto